ヤリスクロスの乗り心地が悪いは誤解?理由と改善策

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ヤリスクロスの乗り心地が悪いは誤解?理由と改善策

ヤリスクロスの乗り心地ってどうなんだろ…

ヤリスクロスの乗り心地は悪いという評判を目にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

とくに家族での移動が多い方や、長距離運転の機会がある方にとって、乗り心地は車選びの重要な判断基準となります。

この記事では、なぜ乗り心地が悪いと言われるのか、その構造的な理由を詳しく分析します。

記事のポイント

  • ヤリスクロスの乗り心地が悪いと言われる理由
  • グレードやタイヤサイズによる乗り心地の違い
  • ライバル車との乗り心地の比較
  • 購入後にできる乗り心地の改善方法

ヤリスクロスは乗り心地が悪いという噂の真相

  • 乗り心地が硬いと言われる理由
  • 18インチの乗り心地
  • 長距離で疲れる原因
  • Gグレードの乗り心地
  • 静粛性の低さも乗り心地に影響する

乗り心地が硬いと言われる理由

ヤリスクロスの乗り心地が硬いと言われる理由
カーライフジャーニー・イメージ

ヤリスクロスの乗り心地が硬いと感じられる最大の理由は、その卓越した走行安定性と軽快なハンドリングを実現するための基本骨格と足回り設計にあります。ヤリスクロスは、近年のトヨタ車に共通する設計思想「TNGA(Toyota New Global Architecture)」に基づいた、コンパクトカー向けのGA-Bプラットフォームを採用しています。このプラットフォームは、軽量でありながら極めて高いボディ剛性を確保しているのが特徴です。

高いボディ剛性は、コーナリング中に車体がねじれるのを防ぎ、ドライバーのハンドル操作に遅れなく正確に反応する、キビキビとした走りをもたらします。しかし、それは同時に、路面からの衝撃がボディ全体で受け止められ、乗員に伝わりやすくなるという側面も持ち合わせています。サスペンションも、このしっかりしたボディを活かすため、フワフワと衝撃を吸収するセッティングではなく、路面をしっかりと捉え、車体の傾きを抑える安定性重視のセッティングが施されています。その結果、舗装が古く荒れた路面や、道路の継ぎ目のような小さな段差を乗り越える際に、ゴツゴツ、あるいはコツコツとした硬質な突き上げ感として乗員に伝わりやすく、これが「乗り心地が硬い」という評価の主な原因となっています。

ポイント

ヤリスクロスの硬めの乗り心地は、決して欠陥ではなく、トヨタがTNGAで目指す「もっといいクルマづくり」の一環であり、運転の楽しさや安全性とのバランスを追求した結果の味付けと言えます。この特性を好ましいと感じるか、不快と感じるかで評価が分かれるポイントです。

18インチの乗り心地

ヤリスクロス18インチの乗り心地
カーライフジャーニー・イメージ

乗り心地の硬さを特に顕著に感じさせる要因が、上級グレードの「Z」などに標準装備されている18インチの大径アルミホイールと低扁平タイヤです。タイヤは地面と接する唯一のパーツであり、その特性は乗り心地に絶大な影響を与えます。

タイヤサイズは「215/50R18」のように表記されます。この「50」という数字が扁平率(タイヤの断面高さ÷タイヤ幅)を示しており、数字が小さいほどタイヤの側面(サイドウォール)が薄い「低扁平タイヤ」となります。18インチタイヤは見た目がスポーティで格好良いだけでなく、この薄いサイドウォールがコーナリング時にたわみにくいため、ハンドル操作に対する応答性が向上し、走行安定性が高まるという大きなメリットがあります。しかし、その反面、衝撃を吸収するゴム部分と空気の層が薄くなるため、路面からの細かな凹凸や段差の衝撃を吸収しきれず、ガツンという直接的な突き上げ感として室内に伝わりやすくなるのです。

18インチタイヤの乗り心地に関する注意点

デザイン性の高さと引き換えに、乗り心地の快適性が犠牲になる点は明確なデメリットです。特に後部座席は前席よりも突き上げを感じやすいため、家族を乗せる機会が多い方は慎重な検討が必要です。また、タイヤ交換時の費用も16インチに比べて高価になる傾向があります。

もちろん、同じ18インチでも、静粛性や衝撃吸収性を高めた「コンフォートタイヤ」に交換することで、乗り心地をある程度改善することは可能です。しかし、根本的な解決を望むのであれば、インチダウン(後述)が最も効果的な手段となります。

項目18インチタイヤ(Zグレードなど)16インチタイヤ(Gグレードなど)
メリット見た目が良い、走行安定性・グリップ性能が高い乗り心地が柔らかい、タイヤ価格が安い、燃費が良い傾向
デメリット乗り心地が硬い、タイヤ価格が高い、ロードノイズを拾いやすい見た目が大人しい、高速走行時の安定性は18インチに劣る

長距離で疲れる原因

ヤリスクロスの長距離で疲れる原因
カーライフジャーニー・イメージ

「ヤリスクロスで高速道路を走ると、どうも疲れる」という声が聞かれます。その原因は、単にサスペンションが硬いからという単純な話ではありません。人間の疲労は、複数の要因が複合的に絡み合って生じるものです。ヤリスクロスの場合、主に以下の3つの要素が長距離運転時の疲労に関係していると考えられます。

1. シートのクッション性と身体のサポート性

ヤリスクロスのシートは、欧州車のように体をがっちりとホールドするタイプではなく、比較的平板な形状をしています。クッションもやや硬めに設定されており、短時間座る分には問題ありませんが、1〜2時間を超えてくると、お尻の同じ場所に圧力が集中し、痛みや不快感につながることがあります。また、腰を支えるランバーサポートが不足しているため、無意識のうちに背中や腰の筋肉が緊張し続け、これが疲労として蓄積していきます。

2. 身体が常に感じる微振動と突き上げ感

前述の通り、硬めのサスペンションと高剛性ボディは、路面からの情報を忠実に伝えます。これには、人間がはっきりと認識できる「ガツン」という突き上げだけでなく、常に身体を揺さぶり続ける「ブルブル」という微振動も含まれます。この絶え間ない微振動は、自分では意識していなくても、身体の筋肉を常に緊張させ、血行を悪化させる原因となります。これが長時間続くことで、首や肩のこり、全身の倦怠感につながるのです。

3. 快適性を損なう車内へのノイズ侵入

人間の疲労において、「音」が与える影響は非常に大きいものです。ヤリスクロスは、このクラスのSUVとしては標準的な静粛性を備えていますが、遮音・吸音材は必要最小限に抑えられているため、様々なノイズが車内に侵入します。特に気になるのが、タイヤが発する「ゴーッ」というロードノイズと、加速時に聞こえる3気筒エンジン特有の「ブーン」という音です。これらの定常的な騒音が満たされた空間に長時間身を置くことは、知らず知らずのうちに聴覚的なストレスとなり、精神的な疲労を増幅させます。

Gグレードの乗り心地

ヤリスクロスGグレードの乗り心地
カーライフジャーニー・イメージ

ここまでヤリスクロスの乗り心地のネガティブな側面に焦点を当ててきましたが、誤解しないでいただきたいのは、全てのグレードが硬くて不快というわけではない、という点です。むしろ、GグレードやXグレードに標準装備される16インチタイヤ装着車については、「乗り心地がしなやかで快適」という肯定的な評価が数多く寄せられています。

16インチタイヤ(サイズ:205/65R16)は、18インチに比べて扁平率が「65」と高く、サイドウォールの厚みが十分に確保されています。この厚いゴムとたっぷりの空気が天然のエアクッションとして機能し、路面の細かな凹凸や段差の角を巧みに丸め、乗員に伝わる衝撃を大幅に緩和してくれます。そのため、ゴツゴツ感がなくなり、全体的に角の取れたマイルドな乗り心地を実現しているのです。

Gグレードの乗り心地がマイルドな理由

  • 厚いサイドウォール:衝撃吸収性に優れた16インチタイヤ(扁平率65)を標準装備。
  • 上質なリアサスペンション(4WD):4WD(E-Four)モデルは、リアサスペンションに高級車にも使われる「ダブルウィッシュボーン式」を採用。路面追従性が高く、乗り心地と操縦安定性を高い次元で両立しています。
  • トータルバランス:見た目の派手さよりも、日常の快適性や経済性を重視したバランスの取れた設定。

したがって、「ヤリスクロスの乗り心地は硬い」という評判を気にする方こそ、Gグレードが最適な選択肢となる可能性が高いです。実際に販売現場でも、乗り心地を重視するファミリー層などからGグレードは高い支持を得ています。見た目の迫力では18インチ装着のZグレードに一歩譲るかもしれませんが、日々の運転での快適性、さらにはタイヤ交換時のコストを抑えられる経済性など、実用面でのメリットは計り知れません。

静粛性の低さも乗り心地に影響する

ヤリスクロスの静粛性の低さも乗り心地に影響する
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快適な移動空間を構成する上で、振動や衝撃と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「音」、すなわち静粛性です。ヤリスクロスは、コストと性能のバランスを高いレベルで実現していますが、静粛性の面では、より上級の車種と比較すると割り切りが見られる部分です。

特に多くのユーザーが指摘するのが、時速50kmあたりから耳につくようになる「ゴーッ」というロードノイズです。これはタイヤが路面を転がる際に発生する音で、特に舗装が古い高速道路などでは大きく聞こえる傾向があります。加えて、ヤリスクロスに搭載されている1.5Lのダイナミックフォースエンジンは、熱効率に優れた良いエンジンですが、3気筒特有の振動と「ガラガラ」「ブーン」といったサウンドを発します。ハイブリッドモデルはモーター走行時は極めて静かですが、ひとたびエンジンが始動するとその存在が明確にわかります。

もちろん、これはヤリスクロスに限った話ではなく、このクラスの多くの車種に共通する特徴でもあります。しかし、以前に乗っていた車がセダンや上級ミニバンだった場合、そのギャップに驚くかもしれません。音の感じ方は個人差が非常に大きいので、試乗の際にはオーディオをオフにして、様々な速度域で走行し、ご自身の耳でノイズレベルを確認することが極めて重要です。

これらのノイズは、短時間の街乗りでは気にならなくても、長時間のドライブでは確実に耳の疲れ、ひいては運転全体の疲労感につながります。乗り心地を総合的に判断する際には、サスペンションの動きだけでなく、こうした「音」の要素も冷静に評価することが大切です。

ヤリスクロスの乗り心地が悪いは誤解!比較で検証

  • 「ヤリス」と「ヤリスクロス」の乗り心地
  • 「アクア」と「ヤリスクロス」の乗り心地を比較
  • 「ヤリスクロス」と「ライズの乗り心地、どちらが良い?
  • 乗り心地の改善テクニック
  • 購入前に必ず試乗すべき理由

「ヤリス」と「ヤリスクロス」の乗り心地

「ヤリス」と「ヤリスクロス」の乗り心地
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ヤリスクロスは、その名の通りコンパクトカーの「ヤリス」と共通のGA-Bプラットフォームを土台に開発されています。そのため、「ヤリスと同じような乗り心地なのでは?」と想像する方もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。両車の乗り心地は、目指す方向性が全く異なり、全くの別物と言って差し支えありません。

ヤリスは、WRC(世界ラリー選手権)で活躍するGRヤリスのベースとなるなど、その出自からして走りの楽しさが最優先されています。軽量なボディを活かし、足回りを硬めに引き締めることで、ハンドル操作に対して俊敏に反応する、軽快できびきびとしたハンドリングを実現しています。これは運転好きにとっては大きな魅力ですが、同乗者の快適性という観点では、路面の凹凸を拾いやすく、やや落ち着きに欠ける乗り味です。

一方、ヤリスクロスは、ヤリスに対して全高を95mm、全幅を20mm拡大し、最低地上高も高められたSUVです。車重も100kg以上重くなっています。この体格差を考慮し、サスペンションはSUVにふさわしい、よりストローク量が多く、落ち着きのあるしなやかなセッティングが施されています。重心が高くなることによる不安定さを払拭し、高速道路でも安心して巡航できる安定感を重視した味付けです。ヤリスのようなダイレクト感は薄れる代わりに、幅広い路面状況でフラットな乗り心地を提供してくれます。

豆知識:サスペンション形式の違い

乗り心地を左右する重要な要素として、リアサスペンションの形式があります。ヤリスクロスの2WD(FF)モデルは、多くのコンパクトカーで採用されるシンプルでコスト効率の良い「トーションビーム式」です。対して、4WD(E-Four)モデルは、より複雑で高性能な「ダブルウィッシュボーン式」を採用しています。後者は左右のタイヤが独立して動くため、路面追従性が高く、乗り心地と操縦安定性の両面で有利です。乗り心地にこだわるなら4WDモデルは非常に魅力的な選択肢です。

「アクア」と「ヤリスクロス」の乗り心地を比較

「アクア」と「ヤリスクロス」の乗り心地を比較
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トヨタのコンパクトカーラインナップの中で、ヤリスクロスとしばしば比較されるのが、ハイブリッド専用車の「アクア」です。両車は価格帯も近く、購入時に迷われる方が非常に多いモデルです。

アクアの最大の魅力は、なんといってもハイブリッドシステムによる圧倒的な静粛性と、モーターがもたらす滑らかな走行フィールです。特にストップ&ゴーの多い市街地では、エンジンを始動させずにモーターだけで静かにスルスルと走る感覚は、非常に快適で上質に感じられます。新型アクアは、世界で初めてバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載し、モーター走行の領域が拡大したことも乗り心地の向上に貢献しています。ただし、サスペンションはやや硬めの設定で、路面の大きなうねりや段差では、コツコツとした突き上げを感じることがあります。

対するヤリスクロスは、アクアよりもSUVらしいおおらかさと、視界の良さがもたらす安心感が特徴です。アクアより着座位置が高いため、遠くまで見通しが効き、運転中の精神的な疲労が少なくて済みます。また、室内空間、特に後席の頭上や足元のゆとりはヤリスクロスが明らかに勝っており、ファミリーユースでの快適性はヤリスクロスに軍配が上がります。アクアの洗練された都会的な乗り味に対し、ヤリスクロスは様々なシーンに対応できる懐の深さが魅力と言えるでしょう。

「ヤリスクロス」と「ライズの乗り心地、どちらが良い?

「ヤリスクロス」と「ライズの乗り心地、どちらが良い?
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トヨタのコンパクトSUVには、ヤリスクロスの他に、ダイハツが開発・生産を担うOEMモデル「ライズ」も存在します。ライズは5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディと手頃な価格で大ヒットしており、こちらも強力なライバルです。日本自動車販売協会連合会が発表する販売台数ランキングでも、両車は常に上位で競い合っています。

ライズは、DNGA(Daihatsu New Global Architecture)プラットフォームをベースにしており、その乗り心地は軽快感と取り回しの良さに集約されます。車重が1トン前後と非常に軽いため、発進加速もスムーズで、狭い路地でもスイスイ走れます。乗り心地は街乗りでのフラット感を重視したセッティングですが、軽量なボディゆえに、高速道路での横風や、大きな段差を乗り越えた際の車体の揺れを感じやすいという弱点も持っています。

一方のヤリスクロスは、ライズより一回り大きなボディと、前述のTNGAプラットフォームによるがっしりとした剛性感と、重厚で滑らかな走りが持ち味です。ライズと乗り比べると、明らかに車格が一つ上だと感じられるほどの安定感があります。高速道路での直進安定性や、カーブを曲がる際の安心感はヤリスクロスが優れており、長距離移動の快適性では明確な差があります。

車種プラットフォーム乗り心地の長所乗り心地の短所おすすめの用途
ヤリスクロスTNGA (GA-B)高い剛性感、しなやかで安定しているグレードにより硬さを感じる、ロードノイズ長距離、高速道路、ファミリー
ヤリスTNGA (GA-B)軽快でスポーティ、ダイレクトな操作感硬めで突き上げ感が強い、後席は狭い街乗り、ワインディング、一人乗り主体
アクアTNGA (GA-B)モーター走行時の静粛性、滑らかな加速路面の凹凸を拾いやすい、後席の広さ市街地走行、燃費最優先
ライズDNGA (A)軽快で取り回しが良い、街中でのフラット感軽量ゆえの突き上げ、高速での安定性街乗り、狭い道での運転

乗り心地の改善テクニック

ヤリスクロスの乗り心地の改善テクニック
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もしヤリスクロスを購入し、その乗り心地にもう少し快適性を加えたいと感じた場合、専門的な知識がなくても試せる、効果的な改善方法がいくつか存在します。ここでは、コストや手軽さに応じて段階的にご紹介します。

1. タイヤの空気圧を最適化する

最も手軽で、今日からでも試せるのがタイヤ空気圧の調整です。運転席のドアを開けた部分に貼られているシールには、メーカーが指定する空気圧が記載されています。この指定値は、多くの場合、燃費性能を重視してやや高めに設定されています。この指定値の下限範囲内で、少しだけ(10kPa程度)圧力を下げてみることで、タイヤのクッション性が増し、乗り心地がマイルドになることがあります。ただし、下げすぎは走行安定性の低下や燃費の悪化、タイヤの偏摩耗を招くため、必ず指定範囲内で行うことが重要です。

2. 乗り心地重視の高性能タイヤに交換する

乗り心地の改善において、最も効果を体感できるのがタイヤ交換です。市場には「コンフォートタイヤ」や「プレミアムタイヤ」と呼ばれる、乗り心地と静粛性を最優先に設計されたタイヤが存在します。例えば、ブリヂストンの「REGNO」シリーズや、ミシュランの「PRIMACY」シリーズなどが有名です。これらのタイヤは、特殊なコンパウンドや内部構造によって、路面からの衝撃をしなやかに吸収し、ロードノイズを大幅に低減してくれます。価格は標準タイヤより高くなりますが、その投資に見合うだけの快適性の向上が期待できます。

3. シートクッションやアクセサリーを活用する

長距離運転時の疲労が主に腰や背中に集中する場合、シートに補助的なアイテムを追加するのも非常に有効です。カー用品店やオンラインストアでは、人間工学に基づいて設計された様々な製品が販売されています。

おすすめのシートアクセサリー

  • 低反発ウレタン製クッション:座面への圧力を分散させ、お尻の痛みを軽減します。
  • ランバーサポート:背骨のS字カーブを理想的に保ち、腰への負担を減らします。
  • ネックパッド:首とヘッドレストの隙間を埋め、長時間の運転による首の疲れを防ぎます。

4. ホイールのインチダウンを検討する

これは少し上級者向けですが、特にZグレードの18インチホイールの硬さに悩んでいる場合に最も効果的な方法です。ホイールごと、Gグレードと同じ16インチや、中間の17インチに交換(インチダウン)します。これにより、装着できるタイヤの扁平率が高くなり、タイヤのクッション性が劇的に向上します。見た目の印象は変わりますが、乗り心地は根本的に改善されます。中古の純正ホイールなどを探せば、費用を抑えることも可能です。

購入前に必ず試乗すべき理由

ヤリスクロスの購入前に必ず試乗すべき理由
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これまで様々な角度からヤリスクロスの乗り心地について解説してきましたが、最も重要なことをお伝えします。それは、乗り心地の評価は、究極的には個人の主観である、ということです。ある人が「スポーティで心地よい硬さ」と感じる乗り心地も、別の人にとっては「ゴツゴツして不快」と感じられることは日常茶飯事です。これは、その人が今までどんな車に乗ってきたか、どんな道を主に走るか、何を快適と定義するかによって、全く評価が変わるためです。

したがって、インターネット上のレビューや評判はあくまで参考情報とし、最終的な判断はご自身の五感で確かめる「試乗」に勝るものはありません。後悔しない車選びのためにも、購入を決める前に必ず、そしてできれば時間をかけて試乗をしてください。

ディーラーでの試乗は、短い時間で決まったコースを走るだけ、と思っていませんか?事前に相談すれば、高速道路を走らせてもらえたり、少し長めの時間を確保してもらえたりすることもあります。「乗り心地をじっくり確かめたいので、荒れた路面も走れるコースをお願いできますか?」と具体的にリクエストしてみましょう。熱心な顧客だと認識され、親身に対応してくれるはずです。

後悔しないための試乗チェックポイント

  • 必ずグレード違いで比較する:本命がZグレードでも、必ずGグレード(16インチ)にも試乗しましょう。乗り心地の違いに驚くはずです。その上で、どちらが自分にとって許容範囲か、あるいは好ましいかを判断します。
  • 様々な路面を体験する:きれいなバイパスだけでなく、意図的に住宅街の荒れた路面やマンホール、踏切などを通過してみましょう。日常で遭遇するシーンでの快適性がわかります。
  • 後部座席にも座ってみる:自分で運転するだけでなく、可能であれば家族や友人に運転してもらい、後部座席の乗り心地も体験してください。特に突き上げ感は後席の方が強く感じられます。
  • 静粛性をチェックする:オーディオやエアコンを切り、様々な速度域でのロードノイズやエンジン音の大きさを意識的に確認します。

これらのポイントを意識して試乗することで、カタログスペックやネットの評判だけでは決してわからない、ヤリスクロスの「本当の乗り心地」を深く理解することができるでしょう。

結論:ヤリスクロスの乗り心地が悪いはホント?

最後に、この記事で解説してきた内容を改めて要点としてまとめます。

  • ヤリスクロスの乗り心地が悪いと言われる主な原因は硬めのサスペンション設定
  • 高いボディ剛性による安定性と引き換えに路面の凹凸を伝えやすい
  • 特に18インチタイヤ装着車は突き上げ感を強く感じやすい
  • 16インチタイヤを履くGグレードは比較的マイルドな乗り心地で評価が高い
  • 長距離で疲れる原因は振動、シートの硬さ、静粛性の複合要因
  • ベースとなったヤリスとは全く異なる落ち着いた乗り味が特徴
  • アクアと比べるとSUVらしいおおらかさで勝る
  • ライズと比較すると安定感や滑らかさで一枚上手
  • 4WD(E-Four)モデルはリアサスペンションが上質で乗り心地が良い
  • 静粛性はクラス標準レベルだがロードノイズやエンジン音が気になる場合も
  • 改善策としてタイヤの空気圧調整やコンフォートタイヤへの交換が有効
  • シートクッションの追加も手軽で効果的な疲労対策
  • 乗り心地の感じ方には個人差が大きい
  • 購入を決定する前には必ずグレード違いでの試乗が不可欠
  • 「乗り心地が悪い」という評判は主に硬さを好まない層からの意見と言える

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