自分のヴォクシーは大丈夫だろうか…
ファミリーカーとして高い人気を誇るヴォクシーは、その人気の高さから盗難被害も心配されています。
この記事では、最新データをもとに、ヴォクシーの盗難率や盗難ランキングでの位置付けを詳しく解説します。
純正の盗難防止システムの仕組みから、最新の盗難手口への対策まで、愛車を守るために必要な情報を幅広くお伝えします。
ヴォクシーの盗難率とリスクの現状
- 最新データで見るVOXYの盗難状況
- ヴォクシーは盗難ランキングで何位?
- 盗難されやすい車の特徴とヴォクシー
- トヨタ盗難車ランキング
- 2025年の車両盗難ワースト1は?
最新データで見るVOXYの盗難状況

2025年現在、ヴォクシーの盗難率は、ランドクルーザーやアルファードといった超高級車種と比較すると、突出して高いわけではありません。しかし、決して油断して良い状況ではないのが実情です。
特に近年では、スマートキーの微弱な電波を増幅してドアを解錠する「リレーアタック」や、車両の電子システムに直接侵入する「CANインベーダー」といった、高度で巧妙な手口が急増しています。これらの手口はトヨタ車全般をターゲットにしており、ヴォクシーも例外ではありません。
ミニバンとしての利便性と広い室内空間を持つヴォクシーは、国内だけでなく海外でも中古車としての需要が非常に高いです。そのため、窃盗団にとっては盗んだ後の売却ルートが確立されており、常に狙われやすい車種の一つとして認識されています。
注意点
「盗難ランキング上位ではないから安心」と考えるのは危険です。人気車種である以上、常に一定の盗難リスクが存在することを理解し、日頃から防犯意識を持つことが重要になります。
ヴォクシーは盗難ランキングで何位?

各種の盗難車ランキングにおいて、ヴォクシーはおおよそ10位前後に位置することが多いです。ワースト1位や2位といった極めて高いリスクを持つ車種ではありませんが、盗難被害が頻発している上位グループの一角を占めていることは間違いありません。
警察庁が発表するデータや、損害保険協会が集計する統計を見ても、ファミリー層に支持される人気ミニバンとして、ヴォクシーの盗難件数は常に報告されています。特に、アルファードやヴェルファイアといった兄弟車が上位にランクインしていることからも、同系統のミニバンが窃盗団のターゲットになりやすい傾向がうかがえます。
ヴォクシーのランキング位置付け
高級SUVやセダンほどの被害件数ではありませんが、盗難リスクが高い10位圏内の常連と認識しておくのが適切です。特に都市部や防犯設備の不十分な駐車場では、より一層の注意が求められます。
これらの事実から、ヴォクシーのオーナーは「自分の車は狙われやすい」という認識を持ち、次にご紹介するような防犯対策を講じることが強く推奨されます。
盗難されやすい車の特徴とヴォクシー

一般的に、窃盗団に狙われやすい車にはいくつかの共通した特徴があります。そして残念ながら、ヴォクシーはこれらの特徴の多くに当てはまってしまいます。
特徴1:海外での需要が高い
盗難された車の多くは、不正に海外へ輸出され、高値で売買されます。特にトヨタ車は「壊れにくく信頼性が高い」というブランドイメージから世界中で人気があり、ヴォクシーも例外ではありません。特に東南アジアや中東地域での需要が高いと言われています。
特徴2:市場価値が高く、人気がある
多くの人が所有している人気車種は、中古車市場での流通量が多く、部品単位でも需要があります。そのため、解体してパーツとして売却する「ヤード」と呼ばれる違法施設へのルートも確立されており、窃盗団にとっては換金しやすいターゲットとなります。
特徴3:特定の色が狙われやすい
統計上、ボディカラーでは白、黒、シルバーといった定番色が盗難されやすい傾向にあります。これは市場で最も人気があり、売却しやすい色であるためです。ヴォクシーでも人気の高いこれらのカラーは、特に注意が必要でしょう。
ヴォクシーはまさに「人気があり、海外需要も高く、定番色が売れ筋」という、盗難されやすい車の典型的な特徴を兼ね備えています。だからこそ、オーナー自身による積極的な防犯対策が不可欠なのです。
トヨタ盗難車ランキング

ヴォクシーの盗難リスクをより客観的に理解するために、同じトヨタの車種がどのような状況にあるのかを見てみましょう。以下は、2025年時点での一般的なトヨタ車の盗難ランキングです。
順位 | 車種名 | 主な特徴と盗難理由 |
---|---|---|
1位 | ランドクルーザー | 圧倒的な海外需要。「キング・オブ・盗難車」として知られる。 |
2位 | アルファード | 高級ミニバンの代表格。国内外で非常に人気が高い。 |
3位 | ハイエース | 商用車としての高い汎用性と海外需要から狙われやすい。 |
4位 | プリウス | 世界的な人気車種であり、部品としての需要も高い。 |
5位 | ヴェルファイア | アルファード同様、高級ミニバンとしてターゲットになりやすい。 |
このように、トヨタ車の中でも特に高価でリセールバリューの高い車種が上位を独占しています。ヴォクシーはこれらの車種に次ぐグループに位置しており、窃盗団が常にリストアップしている車種の一つであることは間違いありません。
2025年の車両盗難ワースト1は?

前述のランキングでも触れましたが、2025年現在、日本で最も盗難されている車はトヨタの「ランドクルーザー」です。
これは実に4年以上も連続でワースト1位を記録しており、その被害は深刻です。ランドクルーザーがこれほどまでに狙われる理由は、その圧倒的な悪路走破性と信頼性から、海外の富裕層や武装勢力にまで需要があるためです。正規のルートでは手に入りにくい地域も多く、盗難車が裏ルートで高額取引されています。
豆知識:なぜランドクルーザーなのか?
ランドクルーザーは単なる高級車ではなく、「どんな過酷な環境でも確実に走り、乗員を守る」という絶大な信頼性があります。そのため、インフラが未整備な地域や紛争地域など、特殊な環境でこそ価値が発揮される車であり、これが異常なまでの海外需要を生み出す一因となっています。
この事実は、「トヨタの高級車・人気車は世界中から狙われている」という現実を浮き彫りにしています。ヴォクシーのオーナーも、この大きな流れの中に自分の車があることを認識しておく必要があります。
ヴォクシーの盗難率を下げる防犯対策
- 純正の盗難防止システム
- 新たな脅威「CANインベーダー」とは
- CANインベーダーになぜ対策しないのか
- 参考|日本の盗難されにくい車ランキング
純正の盗難防止システム

トヨタも盗難被害の深刻さは認識しており、ヴォクシーには標準またはオプションで複数の盗難防止システムが用意されています。まずは、これらの純正システムを正しく理解し、活用することが防犯の第一歩です。
標準装備:「イモビライザー」
これは、ほぼ全てのヴォクシーに標準で装備されている基本的な盗難防止装置です。正規のキーに埋め込まれた電子的なIDコードと、車両側のIDコードが一致しない限り、エンジンが始動しない仕組みになっています。これにより、キーの複製や配線の直結といった原始的な手口による盗難をほぼ完全に防ぐことができます。
オプション装備:「オートアラーム」
イモビライザーを補強するのが、オプションで設定されているオートアラームです。これには主に2つのグレードがあります。
- ベーシック:不正なドアの開錠や衝撃を検知すると、大音量のサイレンとハザードランプの点滅で威嚇します。
- プレミアム:ベーシックの機能に加え、ガラスの破壊や車内への侵入を検知するセンサー、さらに車両のバッテリーが外されても作動する内蔵バッテリーを備えており、より強固な防犯性能を発揮します。
その他のシステム
他にも、T-Connectサービスに加入していれば、スマートフォンのアプリを通じて車両の状態(ドアロックの施錠状況など)を確認したり、異常発生時に通知を受け取ったりすることが可能です。これらの純正システムを組み合わせることで、防犯効果は大きく向上します。
新たな脅威「CANインベーダー」とは

しかし、前述の純正システムだけでは防ぎきれない巧妙な手口が登場しています。それが「CANインベーダー(キャンインベーダー)」です。
これは、車のバンパー裏などにある配線に特殊な機器を接続し、車両の電子制御システムである「CAN(Controller Area Network)」に不正にアクセスする手口です。CANに侵入されると、窃盗犯はあたかも正規のキーがあるかのように、自由にドアを解錠し、エンジンを始動させることができてしまいます。
CANインベーダーの恐ろしさ
この手口の最も恐ろしい点は、スマートキーの電波を利用しないため、リレーアタック対策用の電波遮断ポーチや金属製の缶などが全く無意味であることです。また、車両に物理的なダメージを与えずに解錠するため、純正のアラームが作動しないケースも多く、気づいた時には車が消えているという事態になりかねません。
CANインベーダーへの対策としては、物理的なハンドルロックやタイヤロック、後付けのセキュリティアラーム、GPS追跡装置の導入などが有効とされています。
CANインベーダーになぜ対策しないのか

「これほど危険な手口があるのに、なぜメーカーはすぐに対策しないのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。これには、技術的・コスト的に非常に難しい理由がいくつか存在します。
理由1:CAN規格の古さ
CANという通信規格は、もともと1980年代に開発されたもので、当時は現代のようなサイバー攻撃は想定されていませんでした。そのため、通信内容が暗号化されておらず、セキュリティが脆弱という根本的な問題を抱えています。
理由2:システム変更の莫大なコスト
この脆弱なCANシステムを根本的に対策するには、車両の電子システム全体の設計を見直す必要があります。これには新しいサーバーの設置や、ディーラーでの管理体制の刷新なども含まれ、膨大な開発コストと時間がかかります。そのため、メーカーとしても即座に対応するのが難しいのが現状です。
理由3:対策のいたちごっこ
仮にメーカーが何らかの対策を施したとしても、窃盗団はそれを破る新たな手口を開発してきます。常に進化する攻撃側と、防御側との間には、終わりのない「いたちごっこ」の関係があり、完璧な対策というものは存在しないのが現実です。
つまり、CANインベーダー対策が進みにくいのは、技術的な問題とコストの問題が複雑に絡み合っているからです。そのため、現段階ではメーカー純正の完璧な対策を待つのではなく、私たちユーザー自身が複数の防犯対策を組み合わせる「多重防御」で自衛するしかありません。
参考|日本の盗難されにくい車ランキング

ここで少し視点を変えて、日本国内で盗難被害に遭いにくいとされる車種についてもご紹介します。車選びの際の参考になるかもしれません。
盗難されにくいとされる主なメーカー・車種
- マツダ車全般(特にマツダ3、CX-5など):独自のセキュリティ技術が評価されており、盗難件数が極めて少ないことで知られています。
- スバル車全般:水平対向エンジンなど、構造が特殊で整備に専門知識が必要なため、窃盗団から敬遠される傾向があると言われています。
これらのメーカーの車は、海外での部品需要がトヨタ車ほど高くなかったり、窃盗犯にとって「扱いにくい」と判断されたりすることが、盗難されにくさにつながっているようです。
もちろん、「盗難されにくい=絶対に盗まれない」というわけではありませんが、トヨタ車、特に人気ミニバンであるヴォクシーは、これらの車種に比べて盗難リスクが高いという事実は認識しておくべきでしょう。
まとめ:ヴォクシーの盗難率への備え
最後に、愛車を盗難から守るための重要なポイントをまとめます。
- ヴォクシーの盗難率は突出して高くはないが10位圏内の危険な水準
- 人気車種であり国内外での需要が高いため常に狙われている
- 最新手口はリレーアタックとCANインベーダー
- 純正のイモビライザーとオートアラームは基本対策として有効
- CANインベーダーには電波遮断ポーチは無力
- CANインベーダー対策が進まないのは技術的・コスト的な理由がある
- メーカー対策を待つだけでなく自己防衛が必須
- 有効な対策は物理的なロックと後付けセキュリティの組み合わせ
- ハンドルロックやタイヤロックは視覚的な効果も高い
- GPS追跡装置は万が一の際に車両を発見する最後の砦となる
- 駐車環境の見直しも重要で人目につきやすい場所を選ぶ
- 長期間車を動かさない場合は特に注意が必要
- 盗難されにくいのはマツダ車やスバル車というデータもある
- トヨタ車オーナーである以上、高い防犯意識を持つことが最も重要
- 複数の防犯対策を組み合わせる「多重防御」が最強の対策