フリードの残クレって実際どうなんだろ…
フリードの購入時、ディーラーで提案されることが多いのが「残価設定型クレジット(残クレ)」です。
月々の支払いが手頃で新車を購入できると知り、興味を持つ方は多いでしょう。
しかし、その手軽さの裏には残クレ特有の仕組みやデメリットが存在し、理解不足のまま契約すると後悔する可能性もあります。
ホンダでは定期的に低金利キャンペーンを実施しており、上手に活用すればデメリットを軽減できます。
この記事では、フリードの残クレについて、支払いシミュレーション、メリット・デメリットまで詳しく解説します。
フリードの残クレ契約前に知るべきこと
- 残クレのシュミレーション例
- 「月々」の支払い目安
- 残クレが「やばい」と言われる?
- 【ホンダ】残クレのデメリット
- 残クレならではのメリット
残クレのシュミレーション例

「実際にフリードを残クレで買うと、月々いくらになるのか?」まずは、その具体的なイメージを掴むために、詳細なシミュレーション例を見ていきましょう。ここでは、特に人気のハイブリッドモデル「e:HEV AIR EX(2WD)」を、頭金100万円、ボーナス払いありの条件で購入した場合を想定して解説します。
項目 | 3年(36回)払いプラン | 5年(60回)払いプラン |
---|---|---|
対象グレード | e:HEV AIR EX(車両本体価格 約288万円と仮定) | |
頭金 | 100万円 | |
月々の支払額 | 約27,700円 | 約23,800円 |
ボーナス月加算額(年2回) | 30,000円 | 30,000円 |
最終回の残価額(支払不要額) | 約173万円 | 約125万円 |
残価率 | 約60% | 約45% |
適用金利 | 1.9%(キャンペーン適用時) | |
支払総額の目安 | 約290万円 | 約300万円 |
このシミュレーションで注目すべきは、3年プランの残価率が約60%という非常に高い数値である点です。残価率とは、新車価格に対する数年後の買取保証額の割合のことで、この率が高いほど月々の支払い負担は軽くなります。フリードは中古車市場でも非常に人気が高く、価値が落ちにくい(リセールバリューが高い)ため、このような高い残価率が設定可能なのです。
3年プランは月々の支払いが比較的高めですが、3年という短期間で最新モデルに乗り換えられる選択肢が持てます。一方で5年プランは月々の支払いをさらに抑えられますが、支払期間が長くなる分、金利負担が増え支払総額は若干高くなる傾向にあります。ご自身のライフプランや支払い計画に合わせて選択することが重要です。より詳細な条件での試算はホンダファイナンス公式サイトのシミュレーションで確認することをお勧めします。
「月々」の支払い目安

前述のシミュレーションからも分かるように、フリードを残クレで購入した場合、多くの場合で月々の支払額を2万円台前半から後半に設定することが可能です。ボーナス払いを併用したり、頭金を増やしたりすることで、さらに月々の負担をコントロールできます。
この手頃な月額が実現できるのは、残クレが「車両本体価格」から「数年後の買取保証額(残価)」をあらかじめ差し引いた金額だけを分割で支払う仕組みだからです。つまり、数年分の利用料を支払うような感覚で新車に乗ることができるわけです。車両価格の全額をローン対象とする通常のマイカーローンと比較すると、毎月の家計へのインパクトを大きく和らげることができます。
月々の支払いを抑えたい方はもちろん、例えば「子供が小さいうちはスライドドアのフリードに乗り、数年後に子供が大きくなったらSUVに乗り換えたい」といった、将来のライフスタイルの変化を見据えているファミリー層にとって、フリードの残クレは非常に合理的で賢い選択肢となり得ます。
もちろん、これはあくまで目安です。実際の支払額は選択するグレード、オプション、頭金の額、そして適用される金利によって変動します。正確な金額を知るためには、お近くのホンダカーズの販売店で詳細な見積もりを作成してもらうのが最も確実な方法です。
残クレが「やばい」と言われる?

月々の支払いを抑えられるという大きなメリットを持つ残クレですが、インターネットの口コミなどでは「残クレはやばい」「絶対に損をする」といったネガティブな意見が見られることもあります。これには、残クレ特有の仕組みやルールを十分に理解しないまま契約し、後から想定外の事態に直面したというケースが背景にあります。
では、なぜ「やばい」と感じる人がいるのか、その構造的な理由を掘り下げてみましょう。
「残クレがやばい」と言われる4大リスク
1. 見えない金利負担で総支払額が割高になる
残クレの金利は、支払いを猶予されている「残価」の部分にもかかります。そのため、低金利の銀行ローンなどと比較すると、最終的な総支払額が高くなることが多く、「月々の安さに惹かれたが、トータルでは損をしていた」という状況になりがちです。
2. 車が「自分のもの」にならない
契約期間中、車の所有権はローン会社やディーラーにあります(車検証の所有者欄で確認できます)。利用者はあくまで「借りている」状態のため、勝手に売却したり、知人に譲ったり、大幅なカスタマイズを施したりすることはできません。
3. 追加料金(追い金)のリスク
契約終了時に車を返却する際、事前に定められた走行距離(例:1kmあたり5円~10円)を超過していたり、基準を超える傷や凹み、修復歴があったりすると、残価が保証されず、差額を追加で支払う「追い金」が発生するリスクがあります。
4. ライフスタイルの変化に対応しにくい
契約の途中で「車が不要になった」「他の車に乗り換えたくなった」場合でも、原則として途中解約はできません。解約するには残債を一括で返済する必要があり、これが大きな経済的負担となることがあります。
これらの要素から、「月々の支払いの安さ」というメリットの裏に、多くの制約や潜在的なリスクが隠されていると感じる方がいるのです。特に走行距離の制限は、通勤やレジャーで日常的に長距離を運転する方にとっては、常に距離を気にしながら運転するストレスを抱えることになりかねません。契約前にこれらの注意点をしっかりと理解し、自身のカーライフに合っているかを冷静に判断することが、後悔を避けるための最も重要なポイントです。
【ホンダ】残クレのデメリット

前述の「やばい」と言われる理由と重なる部分もありますが、ここではホンダの残クレを利用する上で契約書にも記載される、より具体的なデメリットや注意点を解説します。
総支払額が割高になる可能性
前述の通り、残クレは月々の支払いを猶予されている残価部分にも金利がかかるため、総支払額が膨らみやすい構造になっています。例えば、金利が低めの銀行マイカーローン(年利2%前後)と比較した場合、同じ車両でも最終的な総支払額で数十万円の差がつくことも珍しくありません。月々の支払いの楽さだけでなく、3年間や5年間でトータルいくら支払うことになるのかを必ず確認しましょう。
厳しい走行距離・車両状態の条件
残価を保証するための条件は、契約書で明確に定められています。ホンダの場合、一般的には「月間走行距離1,000kmまたは1,500km以内」のどちらかを選択するプランが多いです。これを超過した場合、1kmあたり5円~10円程度の精算金が発生します。また、車両状態については、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の基準に準じた査定が行われ、基準を超える傷や凹み、修復歴、社外品による改造などがあると、原状回復費用や査定減点分を請求される可能性があります。
小さなお子様がジュースをこぼしてシートにシミができてしまったり、駐車場でドアをぶつけてしまったり…。日常で起こりうる些細なことでも、最終査定に影響する可能性があるのは少し気を使うポイントかもしれませんね。
カスタマイズや売却の自由がない
所有権がディーラー側にあるため、利用者の判断で車を改造することは原則できません。タイヤやホイールの交換程度であれば許容される場合もありますが、サスペンションの変更やマフラー交換といった車の性能に関わる改造は認められないケースがほとんどです。また、契約期間中に「急にお金が必要になったから車を売りたい」と思っても、所有者であるディーラーやローン会社の許可なく売却することはできず、複雑な手続きと一括返済が必要になります。
残クレならではのメリット

ここまで残クレの注意点やデメリットを中心に解説してきましたが、それらを理解した上で活用すれば、残クレは非常に強力なメリットをもたらす支払い方法です。特に、現代の多様なライフスタイルにマッチする合理的な側面が多くあります。
残価設定型クレジットがもたらす4つの大きなメリット
1. 月々の支払額を劇的に抑えられる
最大のメリットです。これにより、予算の都合で諦めていたワングレード上の車種や、付けたかったオプションを装備することも可能になります。月々の固定費を抑え、浮いた分を貯蓄やレジャー、教育費などに充てることができます。
2. 将来の買取価格下落リスクを回避できる
数年後の車の価値(リセールバリュー)は、景気やモデルチェンジ、技術革新など様々な要因で変動します。残クレは、契約時に将来の買取額(残価)が保証されるため、市場価格がどれだけ下落しても利用者が損をすることはありません。これは一種の保険と考えることもできます。
3. 定期的な乗り換えが非常にスムーズ
契約満了時には、主に3つの選択肢(①新しいクルマに乗り換える、②クルマを返却する、③そのまま乗り続ける(買い取る))が用意されています。特に「乗り換え」は手続きが非常にスムーズで、面倒な売却交渉などをすることなく、常に最新の安全性能や環境性能を備えた新車に乗り続けることが可能です。
4. 車検や高額なメンテナンス費用を抑えやすい
3年プランで乗り換えを続ければ、初回の車検を受ける前に次の新車に乗り換えることができます。5年プランでも、大きな部品交換が必要になる前に契約満了を迎えることが多く、予期せぬ高額なメンテナンス費用が発生するリスクを低減できます。
とくに、「子供の成長に合わせて数年後にはより大きなミニバンに乗り換えるかもしれない」といった、将来のライフプランが流動的な方にとって、残クレの柔軟性とリスクヘッジ機能は大きな魅力となるでしょう。
フリードの残クレとローン比較|金利キャンペーンについて
- 「残クレ」と「通常ローン」どっちが得?
- 残クレの金利キャンペーン
- 残クレキャンペーンはいつまで?
- 残クレ利用で値引きが増える可能性
「残クレ」と「通常ローン」どっちが得?

「結局、ディーラーで組む残クレと、銀行などで自分で借りる通常のマイカーローンはどちらが得なのか?」これは、車の購入を検討する上で誰もが悩むポイントです。結論から言うと、これはどちらかが絶対的に優れているという話ではなく、あなたのカーライフやお金に対する価値観によって「お得」の定義が変わります。
それぞれの支払い方法の特徴と、どのような人に適しているかを比較表で整理しました。
比較項目 | 残価設定型クレジット(残クレ) | 通常のカーローン(銀行など) |
---|---|---|
月々の支払額 | 安い傾向(残価を除くため) | 高い傾向(車両価格全額が対象) |
総支払額 | 高くなる傾向(残価にも金利がかかる) | 安く抑えやすい(低金利な場合が多い) |
所有権 | ローン会社・ディーラー | 購入者本人(完済後は完全に自分のもの) |
使用上の制約 | 走行距離、状態、改造に制限あり | 一切なし(自由に走行・改造・売却可能) |
契約満了時 | 返却・乗り換え・買取の選択肢がある | 支払完了で全て終了 |
適したライフスタイル | 短期間で乗り換えたい、月々の負担を抑えたい、将来の変化に備えたい | 一台を長く大切に乗りたい、走行距離が多い、車を資産と考えたい |
ローン契約は家計に大きな影響を与える重要な決定です。契約前には、金融庁が提供するローン契約に関する注意喚起などの情報も参考にし、複数の選択肢を比較検討することが賢明です。
どちらを選ぶべきかの判断基準
残クレがお得なのはこんな人
- 常に最新の安全装備やデザインの車に乗りたい
- 3~5年周期でライフスタイル(家族構成、趣味など)が変わる可能性がある
- 車の売却や査定交渉といった手間を避けたい
- 月々のキャッシュフローを最優先し、手元に現金を残しておきたい
通常ローンがお得なのはこんな人
- 購入した車を10年以上など、長く乗り続けたい
- 年間走行距離が2万kmを超えるなど、走行距離が多い
- 自分好みにカスタマイズを楽しみたい
- 最終的に車が自分の資産として手元に残ることを重視する
このように、「短期的な支払いの楽さ」を重視するなら残クレ、「長期的な総支払額の安さと所有の自由度」を重視するなら通常ローン、という大きな方向性が見えてきます。
残クレの金利キャンペーン

ホンダの残クレを検討する上で、絶対に無視できないのが定期的に開催される低金利キャンペーンです。通常、ディーラーで設定されているクレジットの金利は実質年率で3%~5%程度が一般的ですが、ホンダファイナンスでは特定の期間・車種を対象に、これを大幅に下回るキャンペーンを実施しています。
インプットされた情報によると、2025年10月現在、実質年率1.9%や2.5%といった破格の低金利キャンペーンが実施されています。これは、金利が低いとされる一般的な銀行のマイカーローン(約2%~4%)と比較しても、同等かそれ以上に有利な条件です。
金利1.9%のインパクトは絶大!
金利が低いことのメリットは、単に月々の支払いが少し安くなるだけではありません。残クレの最大のデメリットである「総支払額が高くなる」点を大幅に解消してくれます。例えば、300万円のクレジットを5年間で組んだ場合、金利が4.9%と1.9%では、支払う利息の総額に約24万円もの差が生まれます。このキャンペーンを活用できるかどうかで、残クレのお得度は全く変わってくると言えるでしょう。
フリードが常にキャンペーン対象とは限りませんが、購入を検討する際は、必ず公式サイトやディーラーで最新のキャンペーン情報を確認することが不可欠です。
残クレキャンペーンはいつまで?

これほどお得な低金利キャンペーンですが、残念ながら常時開催されているわけではありません。インプット情報によれば、現在実施されているキャンペーンは2025年12月24日までの申し込み分が対象期間とされています。
キャンペーン利用の注意点
キャンペーンはメーカーや販売会社の都合で予告なく内容が変更されたり、早期終了したりする可能性があります。また、「期間内の申し込み」が条件の場合、それはクレジットの申し込みだけでなく、審査が完了していることを指すのが一般的です。車のグレードやカラーによっては納車に時間がかかる場合もあるため、購入を決めているのであれば、期間に十分な余裕を持ってディーラーへ相談し、手続きを進めることを強くお勧めします。
特に、自動車業界の大きな商戦期である決算期(3月、9月)や年末商戦期は、こうしたお得なキャンペーンが打ち出されやすい傾向にあります。もしキャンペーン期間外であっても、営業担当者に今後の予定を尋ねてみるのも一つの手ですよ。
残クレ利用で値引きが増える可能性

これはあまり公に語られることではありませんが、支払い方法として残クレを選択することが、車両本体価格からの値引き額アップに繋がるケースがあります。
なぜなら、ディーラーにとって残クレでの販売は、単に車を一台売るだけでなく、ローン会社からの手数料(インセンティブ)収入や、数年後の乗り換えによる再購入といった将来のビジネスチャンスに繋がるからです。そのため、現金一括購入や銀行ローンを利用する顧客よりも、ディーラーにとっての利益貢献度が高いと判断され、その分を値引きとして顧客に還元してくれることがあるのです。
商談の際には、最初から「現金で買う」と決めつけず、「現金一括の場合の見積もり」と「残クレ(特にキャンペーン金利適用時)の見積もり」の両方を依頼し、支払総額や値引き額を比較検討するのが賢い方法です。交渉次第では、残クレを利用することで増える金利負担分を、値引きの上乗せ額が上回る「逆転現象」が起こる可能性も十分にあります。総支払額を比較する際は、金利だけでなく、提示された値引き額まで含めて総合的に判断しましょう。
まとめ:賢いフリード残クレの選び方
この記事では、ホンダフリードの残価設定型クレジットについて多角的に解説してきました。最後に、賢い選択をするための重要なポイントをリスト形式でまとめます。ご自身の状況と照らし合わせながら、最終的な判断の参考にしてください。
- フリードの残クレは月々2万円台からの支払いが可能で家計に優しい
- 特に3年プランの残価率は約60%と非常に高く設定されている
- 月々の支払いは安いが金利の仕組み上、総支払額は割高になる傾向がある
- 金利は支払いを猶予されている残価部分にもかかることを理解しておく
- 契約期間中の所有権はディーラー側にあり自由な改造や売却は原則不可
- 契約走行距離を超過すると1kmあたり5円から10円程度の追加料金が発生する
- 内外装の大きな傷や損傷は契約満了時に追加費用を請求されるリスクがある
- 原則として途中解約はできず高額な一括返済が必要になる場合がある
- 月々のキャッシュフローを重視する人や短期乗り換え派には大きなメリット
- 将来の買取価格下落リスクを回避できる残価保証は安心材料
- 一台を長く乗りたい人や走行距離が多い人は通常ローンが有利な場合が多い
- ホンダは現在1.9%などの非常に有利な低金利キャンペーンを実施中
- キャンペーン期間は2025年12月24日までが目安だが常に最新情報を要確認
- 決算期や年末商戦はキャンペーンが活発化する狙い目の時期
- 残クレ利用を条件に車両本体からの値引きが拡大する可能性がある