フリードとステップワゴンの維持費って違うのかな…
ファミリーカーは5年、10年と長く乗ることが多く、ガソリン代や税金、メンテナンス費用は家計に大きく影響します。
本記事では、両車の維持費を年間・月間の具体的な数字で徹底比較。
さらに価格やスペックの違い、利用シーンごとの選び方、購入後に後悔しないためのポイントまで詳しく解説します。
【比較】フリードとステップワゴンの維持費
- 【年間】フリードとステップワゴンの維持費
- 【月間】フリードとステップワゴンの維持費
- 新車価格で見る「フリード」と「ステップワゴン」の値段
- 【比較】主要項目で見る「フリード」と「ステップワゴン」
- フリードとステップワゴンは「4人家族」に最適か
- フリードからステップワゴンに乗り換える損得
【年間】フリードとステップワゴンの維持費

まず、フリードとステップワゴンの年間維持費を具体的な数字で比べてみましょう。様々な条件で変動しますが、結論から言えば、ステップワゴンの方が年間で約5万円〜10万円ほど高くなるのが一般的な傾向です。この差額は、主に排気量や車体重量に起因する税金、そして日々の走行で積み重なるガソリン代の違いから生まれます。
もちろん、これはあくまで年間10,000kmを走行し、一般的な任意保険に加入した場合のシミュレーションです。都市部にお住まいの方であれば駐車場代が、雪国であればスタッドレスタイヤの費用が別途必要になります。以下の表で、具体的な費用の内訳を確認してみましょう。
車体が大きい分、ステップワゴンの方が税金や消耗品費が少し高くなるのは避けられない部分ですね。この年間5〜10万円の差額を「安心と快適性のための投資」と考えるか、「家計への負担」と考えるかが、車種選びの大きな分かれ道になります。
年間維持費の目安(主な内訳)
| 項目 | フリード(1.5L) | ステップワゴン(2.0L/e:HEV含む) |
|---|---|---|
| ガソリン代 (燃費と年間1万km走行で計算) | 約9万〜10万円 | 約10万〜13万円 |
| 自動車税種別割 (年1回) | 30,500円 (1.0L超~1.5L以下) | 36,000〜39,500円 (1.5L超~2.0L以下) |
| 車検費用(年換算) (重量税・自賠責保険・印紙代含む) | 約4.2万円 | 約4.7万円 |
| 任意保険 (年齢・等級で大きく変動) | 約6.5万〜12.4万円 | 約7.5万〜12.3万円 |
| メンテナンス・消耗品 (オイル、タイヤ、バッテリー等) | 約5.5万円 | 約7万円 |
| 合計(年額目安) | 約15万〜35万円 | 約20万〜37万円 |
特に差がつくのは、毎年支払う自動車税種別割です。この税金は、総務省の定めによると、エンジンの総排気量に応じて税額が決定されます。フリードの1.5Lエンジンとステップワゴンの2.0Lエンジンでは税額の区分が異なるため、ここで明確な差が生まれるのです。
維持費は「変動費」と「固定費」で考えよう
上記の費用は、ガソリン代やメンテナンス費といった「変動費」と、税金や保険料などの「固定費」に分けられます。特に任意保険料は、年齢や運転歴、車両保険の有無によって年間10万円以上の差が出ることも珍しくありません。購入前には、必ずご自身の条件に合った保険料の見積もりを取得し、総額を把握することが重要です。
【月間】フリードとステップワゴンの維持費

年間の差額が分かったところで、次にそれを12で割り、より身近な月々の負担額を見てみましょう。家計管理の面では、月単位のコストを把握しておくことが非常に重要です。シミュレーションの結果、ステップワゴンの方が毎月おおよそ3,000円〜5,000円ほど高くなることが分かります。
この差額は、日々のガソリン代の支払いや、将来の車検・税金支払いのための積立金として具体的に現れてきます。もし自動車ローンを組んで購入する場合、この維持費にローンの返済額が上乗せされることになります。事前に月々のキャッシュフローを厳密に計算し、無理のない資金計画を立てることが、快適なカーライフを送るための第一歩です。
月間維持費の目安
| 項目 | フリード | ステップワゴン |
|---|---|---|
| 月間維持費目安 | 約22,000~34,000円 | 約25,000~37,000円 |
| 参考(平均値) | 33,650円 | 25,250~37,310円 |
※上記は駐車場代や車両ローンを含まない、純粋な車両維持費の目安です。
言ってしまえば、月々数千円の差は、外食を一回我慢すれば捻出できる金額かもしれません。しかし、この差額が5年間続けば18万円~30万円という大きな金額になります。この長期的な視点を持ち、「室内の広さや長距離移動の快適性」という価値に対して、そのコストを支払う覚悟があるかどうかを自問することが、後悔しない選択に繋がるのです。
新車価格で見る「フリード」と「ステップワゴン」の値段

維持費(ランニングコスト)と並んで重要なのが、購入時の車両本体価格(イニシャルコスト)です。フリードとステップワゴンは、ホンダのラインナップの中でも異なる車格に位置づけられているため、価格帯にも明確な差が存在します。公式サイトの情報を基にすると、2025年時点の主なグレードの価格は以下のようになっています。
コンパクトミニバンであるフリードが約260万円から320万円の価格帯に収まっているのに対し、ミドルサイズミニバンのステップワゴンは約330万円から400万円近くに及びます。ここには、おおよそ70万円以上の価格差が存在するわけです。この差額は、単にボディサイズやエンジンの大きさだけでなく、内装の質感、静粛性、そして先進安全装備「Honda SENSING」の機能差や快適装備の充実度にも反映されています。
2025年 新車価格(税込)
| 車種 | グレード・仕様 | 価格(参考) |
|---|---|---|
| フリード | AIR[6人乗り FF ガソリン] | 約262万円 |
| フリード | e:HEV AIR[6人乗り FF HV] | 約302万円 |
| ステップワゴン | AIR[7人乗り FF ターボ] | 約334万円 |
| ステップワゴン | e:HEV AIR EX[7人乗り FF HV] | 約393万円 |
※価格はメーカー希望小売価格であり、実際の販売価格とは異なる場合があります。詳細はHonda公式サイトでご確認ください。
最終的な支払総額は「見積書」で確認を
カタログに掲載されている価格は、あくまで車両本体のみの価格です。実際の購入時には、カーナビやドライブレコーダー、フロアマットといったオプション費用、そして税金や登録に伴う諸費用が別途必要になります。これらの費用を加えると、最終的な支払総額はカタログ価格よりも30万円〜50万円ほど高くなるのが一般的です。予算を検討する際は、必ず販売店で詳細な見積書を作成してもらい、支払総額で判断するようにしましょう。
【比較】主要項目で見る「フリード」と「ステップワゴン」

維持費や価格といった金銭的な側面だけでなく、車そのものが持つ基本的なスペックを比較することも、最適な一台を選ぶ上では欠かせません。ここでは、フリードとステップワゴンのキャラクターの違いが明確に分かる主要な項目をピックアップして比較検討します。
一言で表すなら、「コンパクトさと機動性に優れるフリード」と「広大な空間と快適性で勝負するステップワゴン」という構図になります。この違いが、日々の使い勝手や長距離移動時の疲労度に大きく影響してきます。
スペック表の数字だけを見ると少し難しく感じるかもしれませんが、「普段よく通る道は狭いか?」「高速道路に乗る頻度はどれくらいか?」といったご自身の生活を思い浮かべながら見ると、どちらのスペックが自分に合っているか、具体的にイメージできますよ。
フリード vs ステップワゴン スペック比較
| 比較項目 | フリード | ステップワゴン |
|---|---|---|
| 車格 | コンパクトミニバン | ミドルサイズミニバン |
| 全長 / 全幅 / 全高 | 4,310 / 1,695 / 1,755 mm | 4,830 / 1,750 / 1,840 mm |
| 乗車定員 | 5〜7人 | 7〜8人 |
| 室内空間(長さ/高さ) | ややコンパクト(3,045 / 1,285 mm) | 広々として快適(2,845 / 1,410 mm) |
| 荷室スペース | 3列目使用時は限定的 | 3列目床下収納により広大 |
| 燃費(WLTCモード) | 良好(ガソリン約16.5km/L) | 普通(ガソリン約13.2km/L) |
| 最小回転半径 | 5.2m(小回りが利く) | 5.4m〜5.7m(やや大回り) |
| 高速走行安定性 | 必要十分なパワー | 優れる(車重とパワーによる安定感) |
※数値は代表的なグレードのものです。グレードにより異なる場合があります。
特に注目すべきは、最小回転半径の違いです。わずか20cmの差ですが、これはスーパーの駐車場での切り返しや、狭い路地でのUターンといった日常的なシーンで「運転のしやすさ」「扱いきれるサイズ感」として明確に体感できる差となります。一方で、全長が約50cmも長いステップワゴンは、高速道路での直進安定性に優れ、長距離を移動する際のドライバーの疲労を軽減してくれるという大きなメリットがあります。
フリードとステップワゴンは「4人家族」に最適か

「4人家族」は、ミニバンを検討する上で最も中心的なターゲット層です。では、フリードとステップワゴンは、大人2人・子ども2人といった典型的な4人家族にとって、それぞれどのような価値と使い勝手を提供するのでしょうか。具体的な利用シーンを想定しながら見ていきましょう。
フリードの場合:日常の使い勝手と経済性を重視する4人家族へ
結論から言うと、4人家族での利用において、フリードの室内空間で不満が出るケースは少ないでしょう。チャイルドシートを2脚設置しても2列目シートは十分に機能し、普段の買い物や送迎では3列目を跳ね上げておくことで、ベビーカーや大量の荷物も問題なく積載できます。何より、そのコンパクトなボディサイズは、狭い住宅街の道路や混雑した商業施設の駐車場で絶大な効果を発揮します。「ちょうどいい」という言葉がぴったりの、日本の道路事情に最適化されたファミリーカーです。
キャンプなどの大荷物には工夫が必要
ただし、家族4人でキャンプに行くなど、極端に荷物が多くなるシーンでは注意が必要です。3列目を格納した状態でも、テントやクーラーボックス、寝袋など全ての道具を積み込むのは難しい場合があります。そのような場合は、ルーフキャリアやルーフボックスを活用するなど、積載量を拡張する工夫が求められます。
ステップワゴンの場合:プラスαのゆとりと快適性を求める4人家族へ
一方のステップワゴンは、4人家族には「少し贅沢すぎるのでは?」と感じるかもしれませんが、その「圧倒的なゆとり」こそが最大の提供価値です。例えば、スーパーで大きなカートいっぱいに買い物をしても、荷物の量を気にせず気軽に積み込めます。長距離の帰省では、子どもたちが後部座席で窮屈な思いをすることなく、DVDを見たりおもちゃで遊んだりするスペースが確保できます。3列目を床下に格納すれば広大なフラットスペースが出現し、自転車を積んだり、オプションのマットを敷いて車中泊を楽しんだりと、家族の思い出作りの可能性を無限に広げてくれます。
多人数での乗車機会があるなら迷わずステップワゴン
「普段は4人だけど、週末には祖父母を乗せて食事に出かける」「子どもの友達を乗せて習い事に送る」といった機会が少しでもあるなら、ステップワゴンの3列目シートが活躍する場面は確実に訪れます。この「いざという時の安心感」は、何物にも代えがたいメリットと言えるでしょう。
フリードからステップワゴンに乗り換える損得

現在フリードを所有しており、「子どもが大きくなった」「アウトドアが趣味になった」といったライフスタイルの変化を機に、ステップワゴンへの乗り換えを検討している方も少なくないでしょう。その際に考えられるメリット(得)と、覚悟しておくべきデメリット(損)を具体的に整理します。
乗り換えによって「得」られるもの
最大のメリットは、言うまでもなく室内空間の劇的な広がりと快適性の向上です。フリードでは補助的だった3列目シートが、ステップワゴンでは大人がしっかりと座れる実用的な空間に変わります。これにより、多人数での快適な移動が可能になるほか、荷室の使い勝手も格段に向上します。また、エンジンパワーや車体の安定性が増すことで、高速道路の合流や追い越し、横風の強い橋の上などでの運転が非常に楽になり、精神的な疲労が大幅に軽減されるという声も非常に多いです。
乗り換えによって「損」をする可能性のあるもの
デメリットの筆頭は、やはりランニングコストの増加です。これまで見てきた通り、燃費の悪化によるガソリン代、税金、任意保険料、そしてサイズアップに伴うタイヤなどの消耗品費が年間を通じて確実に上乗せされます。さらに、見落としがちなのが洗車の手間と費用です。ボディサイズが大きくなる分、時間も水道代もかかります。また、フリードの「ちょうどいいサイズ感」に慣れていると、ステップワゴンの大きさが運転のストレスに繋がる可能性も考慮しておく必要があります。特に、普段運転に慣れていない方が運転する機会がある場合は、駐車時の取り回しに注意が必要です。
フリードの機動性に慣れている方がステップワゴンに乗り換えると、最初のうちはその大きさに戸惑うかもしれません。乗り換えを真剣に検討する際は、必ずご家族など、運転する可能性のある方全員で、時間をかけて試乗し、駐車なども試してみることを強くおすすめします。
フリードとステップワゴンの維持費から見る賢い選び方
- なぜ「ステップワゴン」と「フリード」で迷うのか解説
- 「街乗り」か「遠出」ライフスタイル別の選び方
- 購入前に知るフリードとステップワゴンの後悔
- あなたに合う一台を選ぶための最終チェック
なぜ「ステップワゴン」と「フリード」で迷うのか解説

そもそも、なぜこれほど多くのファミリーが、ステップワゴンとフリードという2車種の間で頭を悩ませるのでしょうか。その根本的な理由は、両車が「現代日本のファミリーがミニバンに求める多様なニーズ」を、異なるサイズと価格帯で見事に満たしているからです。
フリードは、全長4.3m強、全幅1.7m未満という5ナンバーサイズ(一部グレード除く)に3列シートを詰め込んだ「コンパクトミニバン」というジャンルを確立しました。「ミニバンの利便性は欲しい、でも大きい車は運転が不安だし維持費も高い…」という、都市部在住者や運転に不慣れな層のインサイトを的確に捉え、大ヒットモデルとなりました。まさに「必要十分」を追求した合理的な選択肢と言えます。
一方のステップワゴンは、伝統的なミドルサイズミニバンとして「広大な空間」「多人数乗車の快適性」「所有する満足感」を追求しています。家族全員がゆったりと過ごせる空間は、移動時間を単なる「移動」から「家族の楽しい時間」へと昇華させます。こちらは「最大限の快適性」を求める、ゆとりある選択肢です。
つまり、多くの人は「合理性(フリード)」と「快適性(ステップワゴン)」という、どちらも捨てがたい価値の間で揺れ動くのです。この絶妙なキャラクター設定と価格帯の違いこそが、購入検討者を大いに悩ませる要因となっているのです。
「街乗り」か「遠出」ライフスタイル別の選び方

どちらの車が優れているかという議論に答えはありません。重要なのは「あなたのライフスタイルにどちらが合っているか」です。ここでは、具体的な利用シーンを想定したペルソナ(人物像)を設定し、より深く掘り下げて最適な一台を提案します。
街乗り・近距離メインのあなたへ【フリードがおすすめ】
想定されるライフスタイル: ・平日は奥様が運転し、子どもの幼稚園送迎やスーパーへの買い物がメイン。 ・通勤にも使用するが、片道10km程度の距離。 ・週末に出かけるとしても、近隣の大きな公園やショッピングモールが中心。 ・自宅の駐車場が少し狭く、前面道路も広くない。
上記のようなライフスタイルであれば、迷わずフリードをおすすめします。日々の運転で最も頻繁に遭遇するのは、狭い路地でのすれ違いや、混雑した駐車場での車庫入れです。こうした場面で、フリードのコンパクトなボディサイズと5.2mという最小回転半径は、絶大なアドバンテージとなります。ステップワゴンの広大な室内空間も魅力的ですが、そのメリットを享受する機会が少ないのであれば、むしろその大きさが運転のストレスとなり、維持費の高さが家計を圧迫する要因になりかねません。
週末の遠出やアウトドアを楽しむあなたへ【ステップワゴンがおすすめ】
想定されるライフスタイル: ・月に1〜2回は高速道路を利用して、遠方の実家へ帰省したり、旅行に出かけたりする。 ・家族の趣味がキャンプやスキーで、多くの荷物を積む必要がある。 ・祖父母を乗せて三世代で出かける機会が年に数回ある。 ・長時間の運転でも疲れにくい、快適な車を求めている。
このようなアクティブなご家庭には、ステップワゴンの満足度が非常に高くなるでしょう。高速道路を巡航する際の安定性や静粛性は、フリードよりも一枚上手です。長時間の移動でも、運転手と同乗者の疲労度が全く違います。また、たくさんの荷物を積んでも乗員スペースが犠牲にならない積載能力は、アウトドアレジャーにおいて大きな強みとなります。「移動の快適性」は、家族の笑顔に直結する重要な性能です。その価値を重視するなら、ステップワゴンは最高のパートナーとなるはずです。
購入前に知るフリードとステップワゴンの後悔

どんなに人気の車種でも、購入した後に「思っていたのと違った…」と感じる点は必ず存在します。ここでは、それぞれの車種でよく聞かれる「後悔ポイント」を正直にお伝えします。契約前にこれらのネガティブな側面も理解しておくことで、購入後のミスマッチを確実に防ぐことができます。
フリードの主な後悔ポイントと対策
・「3列目が緊急用以上には使えない」 最も多く聞かれるのが3列目の居住性に関する不満です。大人が長時間座るには足元も頭上も狭く、あくまで短距離・短時間の補助席と割り切る必要があります。 対策:購入前に必ず家族全員で3列目に実際に座ってみて、許容範囲かどうかを確認しましょう。
・「高速道路や登坂路でのパワー不足」 多人数乗車時や、エアコン使用時の高速道路の合流、長い登り坂などでは、エンジンの唸りに対して加速が伴わないと感じる場面があります。 対策:パワー不足が心配な方は、必ず試乗コースに高速道路や坂道を入れてもらい、実用的なシーンでの加速感を体感してください。
・「内装のプラスチック感が気になる」 価格相応ではありますが、インパネ周りなどにハードプラスチックが多く使われているため、質感を重視する方からはチープに見えるという声もあります。 対策:上級グレードを選択したり、ディーラーオプションの加飾パネルなどを検討したりすることで、質感はある程度向上できます。
ステップワゴンの主な後悔ポイントと対策
・「燃費が想像以上に悪く、維持費がかさむ」 特に市街地走行が多い場合、ガソリンモデルでは燃費が1桁台に落ち込むことも珍しくありません。ガソリン価格が高騰すると、給油のたびに負担を感じるという声があります。 対策:燃費を最優先するなら、価格は上がりますがハイブリッドモデル(e:HEV)を選択するのが最も効果的です。また、急発進・急加速を避けるエコドライブを心掛けることも重要です。
・「大きすぎて、運転に気を使う場面が多い」 商業施設の古い駐車場や、狭い路地裏のコインパーキングなどでは、何度も切り返しが必要になったり、駐車を諦めたりするケースがあります。 対策:マルチビューカメラシステムなどの運転支援オプションを積極的に活用しましょう。また、普段よく行く場所の駐車場のサイズを事前に確認しておくことも有効です。
これらの後悔は、突き詰めればご自身の使い方や価値観と、車の特性との間に生じた「ズレ」が原因です。他人の評価に流されることなく、自分たちの家族にとって何が譲れないポイントなのかを明確にすることが、後悔しない車選びの最大の秘訣です。
あなたに合う一台を選ぶための最終チェック

さあ、これまでの情報を踏まえて、最終的な自己診断を行いましょう。以下のいくつかの質問にご自身の状況を正直に当てはめてみてください。これが、膨大な情報の中からあなたにとっての最適解を導き出すための、最後のステップです。
質問1:3列目シートに「大人が」「快適に」座る必要はありますか?
答えが「YES」なら、議論の余地なくステップワゴンが適任です。フリードの3列目は、あくまで子ども用か緊急用です。祖父母を乗せて長距離を移動するようなシーンが想定されるなら、ステップワゴンの快適性は必須条件となります。「NO」であれば、フリードも十分に選択肢に入ります。
質問2:主に運転するのは誰で、その方の運転スキルは?
もし運転に不慣れな方や、ペーパードライバーの方が主に運転するのであれば、フリードのコンパクトなサイズ感は絶大な安心感をもたらします。一方で、運転が好きで、大きい車の運転も全く苦にならない方であれば、ステップワゴンの大きさは問題にならないでしょう。
質問3:将来の家族計画やライフスタイルの変化は?
今後5年以内にお子様が増える計画がある、あるいは子どもが成長してスポーツを始め、大きな道具を運ぶ必要が出てくる可能性があるなら、将来を見越してステップワゴンを選んでおくのが賢明です。逆に、子どもが独立していく段階であれば、フリードの方がより合理的な選択となるでしょう。
質問4:予算と維持費について、どこまでを「許容範囲」としますか?
初期費用もランニングコストも、可能な限り抑えたいという経済合理性を最優先するならフリードが最適です。多少コストが上乗せされても、「広さ」「快適性」「安心感」という付加価値に投資したいと考えるなら、ステップワゴンはその期待に十分応えてくれます。
最終的には、これらのチェックポイントを頭の片隅に置きながら、ご家族全員で両方の車種をじっくりと試乗してみてください。カタログスペックだけでは決して分からない乗り心地、静粛性、シートの座り心地、そして何より「この車と家族で出かけたい!」と思えるワクワク感を体感することが、後悔しない車選びのゴールです。
フリードとステップワゴンの維持費まとめ
最後に重要なポイントをリスト形式で簡潔にまとめます。
- 年間維持費はエンジンの大きいステップワゴンがフリードより5万円から10万円高い
- 月々の維持費に換算すると、その差額は約3,000円から5,000円が目安となる
- 車両本体価格は車格の大きいステップワゴンの方が70万円以上高価
- フリードはコンパクトなボディと優れた燃費で経済性が高く街乗りに最適
- ステップワゴンは広大な室内空間と走行安定性で長距離移動やアウトドアで真価を発揮
- 4人家族の日常利用ならフリードで十分だが、大荷物には工夫が必要な場合がある
- ステップワゴンなら4人家族でも広さに絶大なゆとりがあり、多人数乗車にも対応可能
- フリードからの乗り換えは、維持費の増加と大きな車体サイズを許容できるかが判断の鍵
- フリードで後悔しがちなのは「3列目の狭さ」と「高速走行時のパワー不足」
- ステップワゴンで後悔しがちなのは「想定以上の維持費」と「運転時の取り回し」
- 両車で迷うのは「合理性」と「快適性」という異なる価値を提供しているから
- ライフスタイルの中心が街乗りや近距離移動ならフリードが賢明な選択
- 高速道路の利用やレジャーでの遠出が多いならステップワゴンの満足度が高い
- 購入前には必ず家族全員で両方の車種を試乗し、実用性を比較検討することが重要
- 他人の評価ではなく、自分たちの家族が何を最優先するかを明確にすることが後悔しない最大のコツ