カローラクロスの盗難率ってどのくらいなんだろ…?
ニュースで車の盗難事件を目にするたび、「自分の車も狙われるのでは」と心配になる方も多いでしょう。
愛車を守るためには、カローラクロスの盗難リスクの実態を正しく把握し、効果的な防犯対策を知ることが大切です。
本記事では、2025年最新のデータをもとに、カローラクロスがどの程度盗難に遭いやすいのか、他車種との比較を交えながら詳しくお伝えします。
最新データで見るカローラクロスの盗難率の現状
- 実際の盗難率
- トヨタで盗難に遭いやすい車の最新ランキング
- 盗難されやすい車の特徴
- カローラクロスが窃盗団に狙われにくい理由
- アクアの盗難率から見る近年の傾向
実際の盗難率

結論から言うと、2025年現在のカローラクロスの盗難率は、他の人気車種と比較して低い状況です。
日本損害保険協会や警察庁が発表している近年の車両盗難データ(2023年〜2024年)を見ても、盗難被害が多い車種の上位10位にカローラクロスの名前は入っていません。これは、窃盗団の主なターゲットから外れていることを示す客観的なデータと言えます。
実際にオーナーや購入検討者の間でも、「カローラクロスが盗まれたという話はあまり聞かない」「高級SUVのランドクルーザーやアルファードのように、窃盗団が血眼になって狙う車ではなさそう」といった認識が広まっています。
もちろん、盗難リスクがゼロというわけではありませんが、現時点では過度に心配する必要はないレベルであると判断できるでしょう。
まずは一安心ですね。ただ、なぜ他のトヨタ車と比べて盗難率が低いのか、その理由を知ることで、今後の対策にも繋がります。次の項目で詳しく見ていきましょう。
トヨタで盗難に遭いやすい車の最新ランキング

カローラクロスの立ち位置をより明確にするために、同じトヨタ車の中で特に盗難被害に遭いやすい車種を見てみましょう。各種統計データを基に、2025年時点での盗難リスクが高い車種を以下にまとめました。
盗難に遭いやすいトヨタ車ランキング(2025年時点)
順位 | 車種名 | 特徴・盗難理由 |
---|---|---|
1 | ランドクルーザー | 圧倒的な盗難件数。海外での絶大な人気と、高額で転売できることが主な理由です。 |
2 | アルファード | 国内外で非常に人気が高い高級ミニバン。特に新型は深刻な盗難被害が報告されています。 |
3 | プリウス | 世界的な人気車種であり、部品単体での需要も高いことから、解体目的でも狙われます。 |
4 | レクサスLX | トヨタの高級ブランドであるレクサスのフラッグシップSUV。ランドクルーザーと同様に海外需要が高いです。 |
5 | ハイエース | 商用車として国内外で根強い需要があり、中古車市場でも価値が落ちにくいことが理由です。 |
6 | レクサスRX | 高級SUVとして人気があり、パーツの需要も高いことからターゲットになりやすい傾向があります。 |
7 | クラウン | 日本を代表する高級セダンであり、中古車市場での安定した人気から狙われることがあります。 |
※この表は日本損害保険協会や警察庁などの公開データを基に作成しています。
このように見てみると、盗難被害は特定の高級SUV、ミニバン、そして海外でブランド価値が確立されている車種に集中していることが分かります。カローラクロスは、これらの車種とは異なるカテゴリーに属していると言えるでしょう。
盗難されやすい車の特徴

特定の車種が狙われやすいのには、明確な理由があります。盗難されやすい車の特徴を理解することは、愛車を守る上で非常に重要です。主な特徴は以下の3つの要素に分けられます。
1. 車両の価値と需要
最も大きな理由は、「換金性の高さ」です。窃盗団はビジネスとして盗みを行っており、いかに高く、そして早く売れるかを重視します。
- 海外での高い需要:ランドクルーザーやアルファード、レクサス車は、特に中東や東南アジアで絶大な人気を誇ります。正規のルートでは手に入りにくい、あるいは非常に高価であるため、盗難車が不正に輸出され、高値で取引されるのです。
- 部品の需要:プリウスのように世界中で数多く走っている車は、修理用の純正部品の需要も高くなります。車体を解体し、パーツごとに販売する目的で盗まれるケースも少なくありません。
2. セキュリティの脆弱性
近年、自動車の盗難手口は非常に巧妙化・電子化しています。特にスマートキーシステムの脆弱性を突いた手口が横行しています。
- リレーアタック:スマートキーが発する微弱な電波を特殊な機器で増幅させ、車を騙してドアロックを解除し、エンジンを始動させる手口です。
- CANインベーダー:車のバンパー内などにある電子制御システム(CAN)の配線に直接侵入し、ドアの解錠やエンジン始動を行う手口。警報装置が作動しないため、被害に気づきにくいのが特徴です。
これらの手口への対策が不十分な車は、格好のターゲットとなってしまいます。
3. その他(見た目や管理状況)
車種だけでなく、見た目や駐車環境もリスクに関係します。
- 目立たない色や人気モデル:白・黒・シルバーといった一般的なボディカラーで、街でよく見かける大量生産モデルは、盗難後に他の車に紛れやすく、発見が困難になる傾向があります。
- 無防備な駐車環境:照明や防犯カメラがなく、人目につきにくい月極駐車場や路上駐車は、窃盗団にとって作業がしやすいため、狙われるリスクが高まります。
カローラクロスが窃盗団に狙われにくい理由

では、なぜカローラクロスは前述の「盗難されやすい車の特徴」から外れているのでしょうか。その理由は主に3つ考えられます。
- 海外での換金性が高くない
カローラクロスも世界的に販売されている人気車種ですが、ランドクルーザーやアルファードのような「指名買い」されるほどの圧倒的な海外需要や、驚くほどの高値で転売される状況には至っていません。窃盗団にとって「手間とリスクに見合う儲けが出にくい」と判断されている可能性が高いです。 - 部品の価値が限定的
プリウスほど部品の単価が高いわけではなく、解体してパーツを売るという目的においても、優先順位は低いと考えられます。 - 「足車」として不向き
窃盗団が犯行現場への移動用(通称:足車)として車を盗む場合もありますが、その際にはコンパクトカーなどが選ばれる傾向があります。カローラクロスはSUVとしてある程度の車格があるため、この用途にも向いていないとされています。
これらの理由から、カローラクロスは窃盗団にとって「積極的に狙う価値のあるターゲット」とは見なされていないのが現状です。
アクアの盗難率から見る近年の傾向

ここで、同じトヨタのコンパクトカーである「アクア」の盗難状況を見てみると、興味深い傾向が分かります。
実は、2022年のデータではアクアは盗難件数で上位10車種に入るなど、被害が目立つ時期がありました。しかし、2023年以降のデータではランキングから姿を消しています。
この変化は、窃盗団のターゲットが、より高額で取引できるランドクルーザー、アルファード、レクサスといった高級SUVやミニバンに完全にシフトしていることを示唆しています。
つまり、以前は人気コンパクトカーも狙われていましたが、今は「より儲かる車」に標的が集中しているということですね。この傾向が続く限り、カローラクロスのリスクは比較的低いままであると推測できます。
カローラクロスの盗難率を踏まえた必須の対策
- 標準装備の盗難防止システム
- 最新手口CANインベーダーへの有効な対策
- リレーアタックを防ぐスマートキーの管理術
- 追加したい防犯グッズ
- 駐車環境で大きく変わる盗難リスク
標準装備の盗難防止システム

カローラクロスは、盗難リスクが低いとはいえ、万が一に備えたセキュリティシステムが標準で装備されています。まずは、ご自身の車にどのような機能が備わっているかを知っておきましょう。
イモビライザーシステム
これは、登録された正規の電子キー以外ではエンジン(ハイブリッドシステム)を始動できないようにする電子的な盗難防止装置です。キーに内蔵されたIDコードと車両側のIDコードが一致しない限り、たとえ物理的に鍵穴を壊されても車を動かすことはできません。現在販売されているほとんどの車に標準装備されており、盗難防止の基本となる機能です。
オートアラーム(盗難警報装置)
施錠された状態で、スマートキーなど正規の方法以外でドアやボンネットが開けられると、大きな警報音(ホーン)とハザードランプの点滅で周囲に異常を知らせる機能です。これにより、犯行を躊躇させたり、周囲の人に気づかせたりする効果が期待できます。
これらのシステムが作動しているかは、エンジンを切って施錠した後、インパネ周りにある鍵のマークや車のマークのインジケーターランプが点滅していることで確認できます。
最新手口CANインベーダーへの有効な対策

前述の通り、近年の盗難で最も警戒すべき手口が「CAN(キャン)インベーダー」です。これは、車の標準セキュリティ(イモビライザーやオートアラーム)を無力化してしまう非常に悪質な手口です。
このCANインベーダーに対しては、トヨタから純正の対策部品(オプション)が販売されています。これは、車外から車両の制御システム(CAN)への不正な信号が流れ込むのを物理的に遮断する装置です。
CANインベーダー対策部品の注意点
この純正対策部品はCANインベーダーによる不正な解錠やエンジン始動には効果的ですが、リレーアタックや、物理的なドアのこじ開けといった他の手口には対応していません。そのため、この部品を付けたからといって完全に安心するのではなく、他の対策と組み合わせることが不可欠です。
ディーラーで後付け装着が可能なので、不安な方は一度相談してみることをお勧めします。
リレーアタックを防ぐスマートキーの管理術

スマートキーの利便性を逆手に取った「リレーアタック」も依然として警戒が必要な手口です。しかし、この手口はスマートキーの管理方法を工夫するだけで、効果的に防ぐことができます。
最も簡単で効果的な対策は、スマートキーの「節電モード」を活用することです。
スマートキーの節電モード設定方法
- スマートキーの施錠ボタンを押しながら、解錠ボタンを2回押します。
- キーのインジケーターが4回点滅すれば、節電モード設定完了です。
このモードにすると、スマートキーは電波を発しなくなるため、リレーアタックの被害を防ぐことができます。車に乗る際は、いずれかのボタンを押せば解除されます。
また、ご自宅での保管時には、玄関先など屋外に近い場所にキーを置くのではなく、金属製の缶(お菓子の缶など)や、市販の電波遮断ポーチ・キーケースに入れるだけでも、電波を遮断する効果があり、リレーアタック対策として非常に有効です。
追加したい防犯グッズ

車両の電子的なセキュリティに加えて、物理的な防犯グッズを併用することは、盗難防止効果を飛躍的に高めます。窃盗団は犯行にかかる時間を非常に嫌うため、「面倒くさそう」「時間がかかりそう」と視覚的に思わせることが何よりの対策になります。
おすすめの物理的防犯グッズ
- ハンドルロック:最も手軽で視覚的な効果が高いグッズです。ハンドルを物理的に固定し、操作できなくします。単純ですが、これを破壊するには時間と手間がかかるため、窃盗犯に敬遠されやすいです。
- タイヤロック:駐車違反の取り締まりで使われるような、車輪を物理的に固定する装置です。こちらも非常に目立つため、防犯アピール効果は絶大です。
- GPSトラッカー:万が一盗難されてしまった場合に、車両の位置情報をスマートフォンなどで追跡できる装置です。車両の早期発見に繋がります。
これらのグッズを1つでも追加するだけで、「この車を盗むのはやめておこう」と思わせる抑止力になります。
駐車環境で大きく変わる盗難リスク

どれだけ多くの対策をしても、駐車環境が無防備であればリスクは高まります。愛車をどこに停めるかは、盗難対策の基本中の基本です。
窃盗団は「人目につかず、作業しやすい場所」を好みます。あなたの駐車場は大丈夫か、一度見直してみましょう。
理想的な駐車環境
- 屋内駐車場(ガレージ):シャッター付きのガレージが最も安全なのは言うまでもありません。
- 防犯カメラやセンサーライトのある場所:人の動きを感知して点灯するセンサーライトや、常に録画されている防犯カメラは、犯人にとって最大の脅威です。
- 管理人が常駐している駐車場:人の目があることは、何よりの防犯対策となります。
- 明るく見通しの良い場所:夜間でも照明が明るく、道路から見えやすい場所は、犯行がしにくいため狙われにくいです。
避けるべき駐車環境
- 月極の屋外駐車場で、照明が暗い場所
- 住宅から離れていて、人通りが少ない場所
- 長期間、車を動かさないことが明らかな状態
もし現在の駐車環境に不安がある場合は、少し費用がかさんでも、より安全な場所へ変更することを検討する価値は十分にあります。
まとめ:低いカローラクロスの盗難率と今後の注意点
この記事で解説してきたカローラクロスの盗難率と対策に関する要点を、最後にリストでまとめます。
- カローラクロスの盗難率は2025年現在で非常に低い水準にある
- 日本損害保険協会などの盗難ランキングで上位には入っていない
- 盗難が多発しているのはランドクルーザーやアルファードなどの高級車
- 盗難されやすい車の特徴は海外需要や換金性の高さ
- カローラクロスは窃盗団にとって儲けが少なくターゲットになりにくい
- 参考としてアクアの盗難率も近年は低下傾向にある
- 窃盗団の狙いはより高額な車種へシフトしている
- カローラクロスにはイモビライザーとオートアラームが標準装備されている
- 最新手口のCANインベーダーには純正対策部品が有効
- リレーアタック対策にはスマートキーの節電モードや電波遮断ケースが効果的
- ハンドルロックなどの物理的対策は視覚的な防犯効果が高い
- 複数の防犯対策を組み合わせることが最も重要
- 駐車場の環境を見直すことも基本的な対策の一つ
- 現状は安心できる状況だが盗難リスクがゼロではないことを忘れない
- 今後、人気や需要が変化すれば状況が変わる可能性も考慮する