カローラクロスの中古ってどうなんだろ…?
現在のカローラクロス中古車市場は、海外需要などを背景に高騰しており、価格推移や買取相場も常に変動しています。
RAV4のようなワイルドなフロントフェイスのカローラクロス「ラブクロス」仕様。その個性的なスタイルに惹かれ、中古車での購入を検討している方も多いでしょう。
しかし、いざ探してみると「思ったより価格が高い」「どんな点に注意すれば良いか分からない」といった壁にぶつかることも少なくありません。
この記事では、カローラクロス、ラブクロス仕様の中古車について、最新の価格相場から選び方、購入時の注意点までを網羅的に解説します。
カローラクロス、ラブクロス中古の価格と現状
- 中古が高騰する理由
- 中古の価格推移
- グレード別の買取相場
- 中古ハイブリッドの燃費と実力
- 中古で安い車両を探すポイント
中古が高騰する理由

近年、カローラクロスの中古車価格が高騰している状況をご存じでしょうか。特にラブクロスのようなカスタム仕様車は、その傾向が顕著です。この価格高騰の背景には、いくつかの複合的な要因が存在します。
最大の理由は、海外、特にバングラデシュやパキスタンといった新興国での圧倒的な需要です。これらの国では日本と同じ右ハンドル車が主流であり、信頼性と耐久性に優れた日本車、中でもトヨタのSUVは絶大な人気を誇ります。輸出業者が国内の中古車オークションで積極的に買い付けているため、国内の流通価格が直接押し上げられているのです。
加えて、以下の2つの点も高騰を後押ししています。
- ハイブリッド車の国際的な評価
燃費性能に優れたトヨタのハイブリッドシステムは世界的に評価が高く、特に最上位グレードの「HYBRID Z」は国内外で需要が集中し、高値で取引される傾向にあります。 - ガソリンモデルの希少化
2025年5月のマイナーチェンジでガソリンモデルが廃止され、全車ハイブリッド化されました。これにより、中古市場におけるガソリンモデルの希少価値が高まり、価格を支える一因となっています。
これらの理由から、カローラクロスの中古車は「時間が経っても価値が下がりにくい」という、一般的な中古車とは異なる特異な市場を形成しているのです。
中古の価格推移

カローラクロスの中古車価格は、高値で安定しているのが現状です。年式別に価格帯を見ると、その傾向がはっきりと分かります。
2025年7月時点での年式別の中古車価格帯の目安は以下の通りです。
年式 | 最低価格帯(万円) | 最高価格帯(万円) |
---|---|---|
2025年式 | 約319万円 | 約370万円 |
2024年式 | 約206万円 | 約383万円 |
2023年式 | 約170万円台後半 | 約388万円 |
2022年式 | 約170万円台前半 | 約374万円 |
2021年式 | 約160万円台 | 約377万円 |
注目すべきは、発売から3年~4年が経過したモデルでも価格が大きく下落していない点です。これは前述の通り、海外輸出の「5年ルール」(製造から5年以内の車両しか輸入できない国が多い)の影響が大きく、輸出需要が活発な期間は高値が維持されやすいことを示しています。
ラブクロス仕様車の場合、これらのベース車両価格にカスタム費用が上乗せされるため、支払総額で330万円を超えるケースも珍しくありません。
価格の注意点
表の最低価格には、修復歴ありや過走行の車両が含まれる場合があります。状態の良い車両を探す場合は、各年式の平均価格帯を中心に検討するのが現実的です。
グレード別の買取相場

カローラクロスの購入と同時に、現在お乗りの車の売却を検討する方も多いでしょう。カローラクロスの買取相場も、中古車販売価格と同様に高い水準を維持しています。
グレードや年式、走行距離によって大きく変動しますが、主なグレード別の買取相場目安は以下のようになっています。
グレード | 買取相場(万円) |
---|---|
GX (ガソリン) | 180~193万円 |
G (ガソリン) | 193~198万円 |
S (ガソリン) | 203~208万円 |
Z (ガソリン) | 244~249万円 |
HYBRID G | 235~262万円 |
HYBRID S | 247~271万円 |
HYBRID Z | 292~301万円 |
見ての通り、ハイブリッドの上位グレード、特に「HYBRID Z」の買取価格が突出して高いことが分かりますね。これはリセールバリューを重視する上で非常に重要なポイントです。
もちろん、これはあくまで目安です。より高額査定を狙うためのポイントは以下の通りです。
- 人気カラー:パールホワイトやブラック系は査定額がプラスになりやすいです。
- 走行距離:年式に対して走行距離が少ないほど評価は高くなります。特に1万km未満は大きな強みです。
- 業者選び:国内販売だけでなく、海外への販路を持つ買取業者に査定を依頼すると、輸出需要を反映した高値が期待できます。
中古ハイブリッドの燃費と実力

中古車市場で圧倒的な人気を誇るのが、カローラクロスのハイブリッドモデルです。その最大の魅力は、やはりトップクラスの燃費性能にあります。
カタログ値(WLTCモード)では、2WDモデルで26.4km/L、雪道などで安定性を発揮する4WD(E-Four)でも24.5km/Lという優れた数値を実現しています。SUVでありながら、コンパクトカー並みの低燃費で維持費を抑えられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
燃費性能以外にも、ハイブリッドモデルには以下のような魅力があります。
静粛性とスムーズな走り出し
モーターによる発進は非常に滑らかで静かです。エンジン始動時の振動や騒音が少なく、市街地でのストップ&ゴーが多い場面でも快適なドライブが楽しめます。この静かな走りは、同乗者からの評価も高いポイントです。
いざという時に役立つ給電機能
オプション装備ですが、AC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを装着している車両もあります。これがあれば、停電などの災害時に車を電源として活用でき、スマートフォンを充電したり、小型の家電製品を使ったりすることが可能です。
中古ハイブリッド車選びの注意点
中古でハイブリッド車を選ぶ際は、駆動用バッテリーの状態が気になるところです。トヨタの認定中古車であれば、ハイブリッド機構に対する保証が付いている場合が多く安心です。一般の中古車店で購入する場合も、保証の有無や内容を必ず確認しましょう。
中古で安い車両を探すポイント

「ラブクロスに乗りたいけれど、予算はできるだけ抑えたい」と考える方もいるはずです。カローラクロスの中古車市場で「安い」と言える価格帯は、おおよそ本体価格160万円台から見つけることができます。
ただし、こうした価格帯の車両には、安いのにはっきりとした理由があることがほとんどです。安い中古車に共通する主な特徴は以下の通りです。
- 年式が古い:2021年式などの初期モデルが中心です。
- 走行距離が多い:5万km以上、場合によっては10万kmに近い車両も含まれます。
- ベースグレード:装備がシンプルな「G」や「GX」グレードがほとんどです。
- 修復歴あり:骨格部分に修理歴がある車両は、価格が大きく下がります。
価格を最優先するなら、これらの条件を受け入れる必要があります。特にこだわらないのであれば、グレードは「G」のガソリンモデル、年式は問わず、走行距離は5万km前後を一つの目安として探すと、比較的状態と価格のバランスが取れた車両が見つかりやすいでしょう。
探し方のコツ
中古車検索サイトで、価格を「安い順」に並べ替えたり、上限価格を「180万円」などに設定して絞り込んだりすると、予算内の車両を効率的に探せます。その上で、一台一台の車両状態(修復歴の有無、車検残、保証など)を丹念に確認することが重要です。
カローラクロス ラブクロス 中古購入のための比較検討
- 中古200万円台の賢い選び方
- 雪道でも安心の中古「4WD」
- 上質な中古「モデリスタ」という選択
- 比較対象としての中古「カローラツーリング」
- 月額払いの中古リースとは?
中古200万円台の賢い選び方

カローラクロスの中古車を探す上で、最も選択肢が豊富な価格帯が200万円台です。この予算があれば、バランスの取れた一台を見つけることが十分に可能です。
200万円台で狙える主なモデルの仕様は以下のようになります。
- 200万円台前半 (200~250万円)
この価格帯では、2022年~2024年式のガソリン車「G」グレードや「S」グレードが中心となります。走行距離は2万km~4万km前後の、比較的新しいコンディションの車両が多く流通しています。 - 200万円台後半 (250~300万円)
予算をここまで広げると、選択肢はさらに豊かになります。ガソリン車の上位グレード「Z」や、走行距離が少し多めのハイブリッド車「HYBRID G」なども視野に入ってきます。装備の充実度や燃費性能を重視するなら、この価格帯での検討がおすすめです。
私であれば、200万円台後半の予算を組めるなら、少し走行距離が伸びていてもハイブリッドモデルを探しますね。日々の燃料代や静粛性を考えると、長期的な満足度は高いと感じます。
200万円台で選ぶ際のチェックポイント
この価格帯で選ぶ際は、「どの装備を重視するか」を明確にしておくと良いでしょう。例えば、スマートキーやオートエアコンは普段使いの快適性に直結します。ベースグレードでは省略されている場合もあるため、装備一覧をしっかり確認することが大切です。また、トヨタ認定中古車であれば、この価格帯でも手厚い保証が付いた車両が多く、安心して選べます。
雪道でも安心の中古「4WD」

降雪地域にお住まいの方や、ウィンタースポーツ、アウトドアレジャーを楽しまれる方にとって、4WD性能は譲れないポイントでしょう。カローラクロスの4WDは、トヨタ独自のハイブリッド専用システム「E-Four(電気式4WDシステム)」を採用しています。
E-Fourは、滑りやすい路面で発進する際などに、後輪をモーターでアシストする仕組みです。これにより、雪道や凍結路でのスムーズな発進と安定した走行をサポートします。普段はほぼ2WDとして走行するため、燃費の悪化を最小限に抑えているのも特徴です。
中古市場では、4WDモデルは2WDモデルに比べて約20万円ほど高めの価格設定となっています。特に「HYBRID Z」の4WDは人気が高く、リセールバリューも非常に良好です。流通台数は2WDに比べて少ないため、希望の条件に合う車両が見つかったら、早めに検討を進めることをおすすめします。
上質な中古「モデリスタ」という選択

ラブクロスが「オフロードスタイル」のカスタムである一方、「都会的で上質なスタイル」を求めるならモデリスタ仕様という選択肢もあります。モデリスタはトヨタの純正カスタムブランドで、洗練されたデザインのエアロパーツが特徴です。
中古市場でもモデリスタ仕様の車両は人気があり、価格帯は約300万円~440万円が中心となります。特にフロントスポイラー、サイドスカート、リヤスパッツを装着したフルエアロ仕様は、標準モデルとは一線を画す高級感を放ちます。
モデリスタ仕様のメリットと注意点
- メリット:純正パーツのため品質が高く、車両との一体感があります。また、査定時にもプラス評価されやすく、リセールバリューが高い傾向にあります。
- 注意点:エアロパーツを装着することで最低地上高が若干低くなります。そのため、段差の大きい場所や立体駐車場などでは、フロントスポイラー下部を擦らないよう注意が必要です。
ラブクロスとは方向性が異なりますが、個性と高級感を両立させたい方にとって、モデリスタ仕様は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
比較対象としての中古「カローラツーリング」

SUVであるカローラクロスを検討する中で、「荷室の広さ」や「使い勝手」を重視している方もいるかもしれません。もしそうであれば、一度、兄弟車であるカローラツーリングの中古車に目を向けてみるのも面白いでしょう。
カローラツーリングはステーションワゴンであり、カローラクロスと比較して以下の点で優れています。
- 圧倒的な荷室容量
後部座席を使用した状態でも広い荷室を確保しており、座席を倒せば最大800Lもの広大なスペースが出現します。これは、カローラクロスよりも積載性に優れている点です。 - 低重心による安定した走り
車高が低いため、コーナリング時の安定性が高く、キビキビとした走りを楽しめます。 - 比較的リーズナブルな中古価格
同じ年式や走行距離で比較した場合、カローラツーリングの方がカローラクロスよりも安価な傾向にあります。
もちろん、SUVならではのアイポイントの高さや悪路走破性はカローラクロスに軍配が上がります。しかし、「SUVスタイルにはこだわらないが、積載性と燃費の良い車が欲しい」というニーズであれば、カローラツーリングは非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となり得ます。
こんな人におすすめ
キャンプや釣り、車中泊など、たくさんの荷物を積む趣味をお持ちの方には、カローラツーリングがフィットする可能性があります。一度、中古車情報サイトで価格や在庫を比較検討してみてはいかがでしょうか。
月額払いの中古リースとは?

「頭金を用意するのが難しい」「毎月の支払いを一定にしたい」という方には、中古車リースという方法もあります。これは、月々定額の料金で中古のカローラクロスに乗ることができるサービスです。
月額料金には、車両本体価格だけでなく、契約期間中の自動車税、自賠責保険、車検費用などが含まれているのが一般的です。そのため、急な出費を心配することなく、計画的に車を維持できます。
ただ、メリットばかりではありません。デメリットや注意点も理解しておく必要があります。
中古車リースのメリット
- 初期費用を抑えられる(頭金0円のプランも多い)
- 月々の支払いが定額で家計管理がしやすい
- 在庫車から選ぶため納車が早い
中古車リースのデメリット・注意点
- 在庫の中から選ぶため、希望のグレードや色がない場合がある
- 契約満了時に車を返却する必要があり、自分の所有物にはならない
- 走行距離制限やカスタマイズの禁止など、利用に制約がある
購入とは異なる車の持ち方ですが、特に「2~3年だけ乗りたい」といった短期的な利用を考えている場合には、非常に合理的な選択肢となるでしょう。
総括:満足できるカローラクロス、ラブクロス中古車の探し方
最後に、理想の一台を見つけるための要点をまとめます。
- ラブクロスはカローラクロスをRAV4風にカスタムする専用エアロパーツ
- 中古市場では希少で、通常モデルよりやや高値で取引される
- 中古車価格高騰の背景には旺盛な海外輸出需要がある
- 3~5年落ちのモデルは輸出需要で価格が下がりにくい
- ハイブリッドモデル、特に「HYBRID Z」はリセールバリューが非常に高い
- 2025年のマイナーチェンジでガソリンモデルが廃止され希少価値が上昇
- 買取相場も高値安定しており、売却時にも有利に働く可能性がある
- 燃費性能を重視するならハイブリッド一択、静粛性も魅力
- 160万円台の安い車両は年式・走行距離・グレードなどで割り切りが必要
- 200万円台は最も選択肢が多く、ガソリン車の良質な中古車が狙える
- 雪道や悪路を走るなら安定性の高い4WD(E-Four)がおすすめ
- 都会的なカスタムを好むならモデリスタ仕様も比較検討の価値あり
- 積載性重視なら兄弟車のカローラツーリングも有力な選択肢
- 初期費用を抑えたいなら中古車リースという方法もある
- 購入時は保証内容、修復歴、整備記録を必ず確認することが重要