トヨタの人気SUV「カローラクロス」と「ヤリスクロス」。維持費って違うのかな…?
とくに、年間でかかる維持費の総額や、税金面での差額は、車選びの重要な判断材料になります。
本記事では、カローラクロスとヤリスクロスの維持費をあらゆる角度から詳しく比較し、あなたのライフスタイルに最適な一台を見極めるお手伝いをします。
年間維持費の具体的な金額、税金の違いによる負担差、そして結局どちらがあなたに合っているのか、これらの疑問にひとつずつお答えしていきます。
カローラクロスとヤリスクロスの維持費を徹底比較
- カローラクロスの年間維持費
- ヤリスクロスの年間維持費
- 税金はいくらになる?
- 維持費に影響する燃費性能の違い
- 車検代や保険料はどちらが安いか
カローラクロスの年間維持費

カローラクロスの年間維持費は、利用状況やグレードによって変動しますが、おおよそ19万円から32万円が目安となります。
この金額の差は、主にガソリン車とハイブリッド車の燃費性能の違いや、加入する任意保険の条件によって生じます。例えば、ハイブリッド車はガソリン車に比べて燃料費を年間で数万円節約できるほか、エコカー減税の対象となるため税金面でも有利です。
具体的な内訳を以下の表にまとめました。
カローラクロス年間維持費の目安(年間1万km走行)
項目 | ハイブリッド車 | ガソリン車 |
---|---|---|
自動車税 | 36,000円 | 36,000円 |
重量税(年換算) | 免税(初年度)→約6,150円 | 約12,300円 |
任意保険料 | 約40,000円~ | 約40,000円~ |
車検・メンテナンス費(年換算) | 約30,000円~ | 約30,000円~ |
燃料費 | 約63,500円~ | 約99,000円~ |
合計(目安) | 約19万円~ | 約24万円~ |
※保険料は年齢や等級、車両保険の有無で大きく変動します。駐車場代や消耗品費は含んでいません。
2025年5月以降はハイブリッド車のみに
ちなみに、2025年5月の一部改良により、カローラクロスのガソリン車モデルは廃止され、全車ハイブリッドのラインナップとなりました。これから新車で購入する場合は、必然的に維持費の安いハイブリッド車を選ぶことになります。
ヤリスクロスの年間維持費

一方、ヤリスクロスの年間維持費は、約24万円から30万円が目安です。カローラクロスと同様に、ガソリン車かハイブリッド車か、また走行距離や保険条件によって金額は変わってきます。
ヤリスクロスはコンパクトSUVであるため、タイヤなどの消耗品費がカローラクロスに比べて安く済む傾向にあります。また、ハイブリッドモデルの燃費性能は特に優れており、燃料費を大幅に抑えることが可能です。
詳細な内訳は以下の通りです。
ヤリスクロス年間維持費の目安(年間1万km走行)
項目 | ハイブリッド車 | ガソリン車 |
---|---|---|
自動車税 | 30,500円 | 30,500円 |
重量税(年換算) | 約6,150円 | 約12,300円 |
任意保険料 | 約60,000円~ | 約60,000円~ |
車検・メンテナンス費(年換算) | 約40,000円~ | 約40,000円~ |
燃料費 | 約50,000円~ | 約89,000円~ |
合計(目安) | 約24万円~ | 約29万円~ |
※保険料はあくまで一例です。駐車場代や消耗品費は含んでいません。
税金はいくらになる?

車を所有する上で毎年必ずかかるのが税金です。ここではカローラクロスの税金について詳しく見ていきましょう。
自動車税(種別割)
カローラクロスのエンジン排気量は1.8L(1,797cc)のため、自動車税は年間36,000円です。これは、1.5L超~2.0L以下の区分に該当します。ヤリスクロスの30,500円(1.5L以下)と比較すると、年間で5,500円高くなります。
自動車重量税と環境性能割
新車購入時にかかる税金として、自動車重量税と環境性能割があります。ここでのポイントはエコカー減税です。
- ハイブリッド車:エコカー減税の対象となり、購入時の重量税は免税(0円)です。環境性能割も非課税となる場合が多く、初期費用を大きく抑えられます。
- ガソリン車(2025年廃止):エコカー減税の対象外だったため、重量税として24,600円(2年分)が必要でした。
このように、税金面ではハイブリッド車が圧倒的に有利です。
13年経過後の増税に注意
新車登録から13年が経過すると、自動車税と重量税が増額される点には注意が必要です。長く乗り続ける場合は、将来的な税金の負担増も考慮しておくと良いでしょう。
維持費に影響する燃費性能の違い

年間の維持費、特に燃料費に大きく影響するのが燃費性能です。両車の燃費を比較してみましょう。
結論から言うと、燃費性能では全体的にヤリスクロスが優勢です。特にハイブリッドモデルの燃費はクラストップレベルを誇ります。
車種 | グレード | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|
カローラクロス | ハイブリッド | 24.5~26.4 km/L |
ガソリン(旧) | 14.4 km/L | |
ヤリスクロス | ハイブリッド | 25.0~30.8 km/L |
ガソリン | 17.1~19.8 km/L |
例えば、年間1万km走行、レギュラーガソリン価格を170円/Lと仮定して燃料費を計算すると、その差は歴然です。
- ヤリスクロス HV (30.8km/L): 約55,200円
- カローラクロス HV (26.4km/L): 約64,400円
年間で約1万円、10年乗れば約10万円もの差が生まれる計算になります。日々の燃料費を少しでも抑えたい方にとって、この差は非常に大きいと言えるでしょう。
車検代や保険料はどちらが安いか

税金や燃料費以外にも、車検代や任意保険料が維持費の大部分を占めます。
車検費用
車検の基本料金(法定費用)に大きな差はありませんが、部品交換費用はヤリスクロスの方が安く済む傾向にあります。これは、カローラクロスに比べてタイヤサイズが小さいことや、コンパクトカー向けの部品が流用できることなどが理由です。
任意保険料
任意保険料は、年齢・等級・運転者範囲などの条件で大きく変動するため一概には比較できません。しかし、一つの指標として車両保険の金額が挙げられます。
一般的に、車両価格が高いほど車両保険料も高くなるため、同程度の装備であればカローラクロスの方が保険料は高くなる可能性があります。購入前には、必ず複数の保険会社で見積もりを取得し、ご自身の条件で比較検討することが重要です。
保険料を安く抑えるポイント
保険料は、運転者を本人・配偶者に限定したり、年齢条件を適切に設定したりすることで安くできます。また、近年はインターネットで直接契約できるダイレクト型自動車保険も人気です。代理店型と比較して、自分に合ったプランを安価に設定できる場合があります。
カローラクロスとヤリスクロスの維持費で見る選び方
- 「ヤリスクロス」と「カローラクロス」どっちが人気?
- 結局、「カローラクロス」と「ヤリスクロス」どっちがいい?
- おすすめは「街乗り」か「長距離」かで変わる
- 家族構成で考える最適な一台
- 「カローラクロス」と「ヤリスクロス」の維持費を総額で比較
「ヤリスクロス」と「カローラクロス」どっちが人気?

販売台数を見ると、どちらもSUV市場でトップクラスの人気を誇りますが、僅差でヤリスクロスが上回る傾向にあります。
ただし、これは単純な優劣ではなく、支持される層が異なることを示しています。
ヤリスクロスの人気
年間約10万台を販売するヤリスクロスは、特に20代から40代の若年層や、単身・共働き世帯から絶大な支持を集めています。人気の理由は、やはりその経済性と運転のしやすさ。手頃な価格設定と優れた燃費性能が、初めて車を持つ方やセカンドカーを求める層に響いています。
カローラクロスの人気
一方、カローラクロスは年間約9万台を販売し、30代後半から50代のファミリー層を中心に人気です。「カローラ」というブランドが持つ絶大な信頼性と、広々とした室内空間、そして快適な乗り心地が評価されています。家族での利用や長距離移動を重視する層から選ばれる傾向が強いです。
なるほど!販売台数ではヤリスクロスが少しリードしているけど、カローラクロスもファミリー層にがっちり支持されていて、どちらも大人気なんですね。選ぶ人のライフスタイルが見えてきます。
結局、「カローラクロス」と「ヤリスクロス」どっちがいい?

ここまで様々な角度から比較してきましたが、結論としては「あなたの使い方と重視するポイントによって最適な一台は変わる」ということになります。
どちらの車があなたにとって「いい」のか、判断するためのポイントをまとめました。
カローラクロスが向いている人
- 家族で利用することが多い
- 後部座席や荷室の広さを重視する
- 高速道路など長距離を快適に移動したい
- しっとりとした上質な乗り心地を求める
カローラクロスは、その広い室内空間と優れた静粛性が最大のメリットです。家族や友人を乗せる機会が多い方、大きな荷物を積んでレジャーに出かける方には、間違いなくカローラクロスがおすすめです。
ヤリスクロスが向いている人
- とにかく維持費を安く抑えたい
- 主な用途は街乗りや通勤
- 運転のしやすさや小回りの良さを重視する
- 初めてのSUVやセカンドカーを探している
ヤリスクロスは、その圧倒的な燃費性能と取り回しの良さが魅力です。維持費を最優先に考え、主に市街地での利用を想定している方には、ヤリスクロスが最適なパートナーとなるでしょう。
おすすめは「街乗り」か「長距離」かで変わる

車の主な利用シーンを具体的にイメージすることで、選択はさらに明確になります。
街乗りメインなら「ヤリスクロス」
狭い路地やコインパーキングでの取り回し、ストップ&ゴーが多い市街地走行では、コンパクトでキビキビ走るヤリスクロスが圧倒的に有利です。小さなボディは運転に自信がない方でも安心感があり、優れた燃費性能は日々のガソリン代節約に直結します。
長距離・高速メインなら「カローラクロス」
週末のロングドライブや帰省などで高速道路を頻繁に利用するなら、走行安定性と静粛性に優れるカローラクロスがおすすめです。ヤリスクロスより一回り大きなボディと、しなやかな足回りが、長時間の運転でも疲れにくい快適な移動空間を提供してくれます。後部座席の同乗者からの評価も高いでしょう。
運転の楽しさを求めるなら軽快なヤリスクロス、同乗者の快適性を最優先するならカローラクロス、という視点も重要ですね。誰と、どこへ行くかを考えると選びやすいかもしれません。
家族構成で考える最適な一台

家族構成は、車選びにおける最も重要な要素の一つです。
単身・夫婦世帯の場合
お一人やご夫婦での利用であれば、ヤリスクロスでも十分な広さを確保できます。後部座席の利用頻度が低ければ、コンパクトさや経済性のメリットが上回るでしょう。もちろん、将来的に家族が増える計画がある場合は、先を見越してカローラクロスを選ぶのも賢明な判断です。
子供がいるファミリー世帯の場合
小さなお子様がいるご家庭には、迷わずカローラクロスをおすすめします。理由は、後部座席の広さにあります。チャイルドシートの乗せ降ろしは、ドアの開口部の広さや後席の足元スペースに大きく左右されます。この点で、カローラクロスはヤリスクロスに対して大きなアドバンテージを持っています。また、ベビーカーなどの大きな荷物を積む機会が多い点でも、荷室の広いカローラクロスが安心です。
「カローラクロス」と「ヤリスクロス」の維持費を総額で比較

最後に、これまで見てきたカローラクロスとヤリスクロスの維持費項目を一覧にまとめ、総額で比較してみましょう。どちらも人気のハイブリッド・2WDモデルでシミュレーションします。
【年間維持費】総額比較シミュレーション
項目 | カローラクロス (HV) | ヤリスクロス (HV) | 差額(ヤリスクロスが安い) |
---|---|---|---|
自動車税 | 36,000円 | 30,500円 | -5,500円 |
重量税(年換算)※ | 約6,150円 | 約6,150円 | 0円 |
任意保険料(目安) | 約70,000円 | 約60,000円 | -10,000円 |
車検・メンテ費(年換算) | 約40,000円 | 約40,000円 | 0円 |
燃料費(1万km走行時) | 約64,400円 | 約55,200円 | -9,200円 |
合計(目安) | 約216,550円 | 約191,850円 | -24,700円 |
※重量税はエコカー減税適用後の継続車検時を想定。保険料やメンテナンス費はあくまで一般的な目安です。
このように、単純な金額だけで比較すると、年間で約2.5万円、ヤリスクロスの方が安くなる計算です。ただし、この差額でカローラクロスが提供する「室内の広さ」や「乗り心地の良さ」といった価値を得られると考えるなら、決して高いとは言えないかもしれません。
まとめ:カローラクロスとヤリスクロスの維持費
この記事の要点を最後にリストでまとめました。
- 維持費を最優先するならヤリスクロスが有利
- 年間維持費の目安はヤリスクロスが約24万円から
- カローラクロスの年間維持費は約19万円からだが条件による
- 自動車税はヤリスクロスが年間5,500円安い
- 燃費性能はヤリスクロスハイブリッドがクラストップレベル
- 年間1万km走行で燃料費に約1万円の差が出ることも
- カローラクロスはハイブリッドなら購入時の税金が優遇される
- 車検の部品代やタイヤ代はヤリスクロスが安価な傾向
- 任意保険料は車両価格の高いカローラクロスがやや高くなる可能性
- 人気・販売台数ではヤリスクロスが僅差でリード
- 街乗りや運転のしやすさ重視ならヤリスクロス
- 家族利用や長距離の快適性重視ならカローラクロス
- 後席の広さや荷室容量はカローラクロスが圧倒的に広い
- チャイルドシート利用家庭にはカローラクロスが強く推奨される
- 最終的な維持費の差は年間で2~3万円程度になることが多い
- 維持費の差額と、広さや快適性の価値を天秤にかけることが重要