トヨタの人気SUV「RAV4」の盗難状況ってどうなんだろう…?
RAV4は盗難被害の多い車種トップ10には入っていませんが、トヨタ車は全般的に狙われやすいのが現状です。
特に最近は、スマートキーの電波を悪用するなど、ハイテクな手口が増えています。純正のセキュリティだけでは、もはや安心できません。
本記事では、実際にどれくらいの車が盗まれているのか、盗難の手口や愛車を守るための対策まで、わかりやすくお伝えします。
RAV4の盗難状況と最新の傾向
- 盗難件数と盗難車ランキング
- トヨタで盗難されやすい車種とRAV4の関係
- 主な盗難手口とその特徴
盗難件数と盗難車ランキング

RAV4の盗難件数は、2024年から2025年の全国統計では具体的に公表されていません。現在の盗難車ランキング上位10車種にも入っていないため、正確な被害状況を把握するのは難しいのが実情です。
ただし過去を振り返ると、2004年の埼玉県では深刻な被害が発生していました。1月から10月までの10ヶ月間で410台、月平均にすると41台ものRAV4が盗まれていたのです。さらに11月にはわずか25日間で160台が被害に遭うという異常事態も起きていました。
一方、海外に目を向けると違った様相が見えてきます。フランスでは2023年、RAV4が「最も盗まれた車」という不名誉な記録を作りました。保険に加入している車1万台のうち、なんと240台が盗難被害に遭ったのです。RAV4の人気の高さと、電子機器を使った新しい盗難手口が組み合わさった結果だと考えられています。
このようにRAV4の盗難被害は、国や時期によって大きく異なります。日本では現在、特別に狙われているわけではありませんが、安心はできません。CANインジェクションやリレーアタックといった電子的な盗難手口が広まり、どんな車でも狙われる可能性が高まっているからです。
トヨタで盗難されやすい車種とRAV4の関係

トヨタ車は盗難被害が多く、特定の車種に被害が集中しています。最新データでは、ランドクルーザーが4年連続で最も盗まれており、盗難車全体の約27.5%を占めるという驚くべき数字です。続いてアルファード、プリウス、レクサスLX、レクサスRX、ハイエース、クラウン、レクサスLSが上位を占めています。
なぜこれらの車が狙われるのでしょうか。理由は主に3つあります。まず海外での人気が高いこと、次に中古車市場で高値で取引されること、そして部品の互換性が高く転売しやすいことです。特にランドクルーザーは中東やロシアで絶大な人気を誇り、盗まれた車の多くが海外に密輸されているといわれています。
では、RAV4はどうでしょうか。RAV4もトヨタの人気SUVとして国内外で高く評価されていますが、上記の高級車と比べると今のところ盗難の標的にはなりにくいようです。とはいえ、トヨタ車というだけで狙われやすくなるため、油断は禁物です。
最近はCANインベーダーやリレーアタックといった、車のコンピューターシステムを狙う新手の盗難手口が広まっています。これらの手口は車種を問わず使えるため、どんな車でも被害に遭う可能性があります。RAV4オーナーの方も、トヨタ車は狙われやすいという事実を踏まえ、しっかりとした防犯対策を取ることが大切です。
主な盗難手口とその特徴

RAV4をはじめとする最近の車は、以前とは比べものにならないほど巧妙な手口で狙われています。現在確認されている盗難の手口は、大きく3つに分けられます。
まず最新の手口が「CANインベーダー」です。これは車のコンピューターシステムに不正侵入し、エンジンを勝手に始動させてしまう方法です。物理的な鍵やカーポートがあっても防げないのが厄介なところ。犯人は専用の機器を使い、わずか数分で車のシステムを突破してしまいます。
次によく使われるのが「リレーアタック」です。家の中にあるスマートキーの電波を特殊な装置でキャッチし、車に「キーが近くにある」と勘違いさせる手口です。玄関近くにキーを置いていると、外から電波を拾われて車のドアが開き、エンジンもかかってしまいます。対策としては、スマートキーを節電モードにするか、電波を遮断するケースに入れておくことが有効です。
そして昔からある「イモビライザー突破」も、まだ使われています。イモビカッターという道具で車の盗難防止装置を無効化し、エンジンをかける方法です。プロの窃盗団はこれらの手口を状況に応じて使い分け、あっという間に車を盗んでいきます。
どの手口も専門的な知識と特殊な機器が必要なため、普通の防犯対策では太刀打ちできません。だからこそ、いくつもの対策を重ねる「多層防御」が大切になります。RAV4オーナーの皆さんは、こうした最新の手口を知った上で、しっかりとした対策を取ることが重要です。
RAV4の盗難対策と保険について
- 効果的な盗難防止対策
- セキュリティ標準装備の特徴
- 追加で導入すべきセキュリティ対策
- 盗難保険の加入時の注意点
効果的な盗難防止対策

RAV4を盗難から守るには、いくつもの防犯対策を重ねることがカギとなります。どんなに優れた対策でも、単体ではプロの窃盗団に対抗できません。物理的な対策と電子的な対策、両方を組み合わせることが大切です。
まず物理的な対策から見ていきましょう。ハンドルロックは手軽で効果的な方法です。ステアリングに装着すれば車の操作ができなくなり、赤などの目立つ色を選べば「この車は対策済み」というアピールにもなります。犯人は面倒を嫌うので、他の車を狙うようになるでしょう。タイヤロック(ホイールクランプ)も有効で、物理的に車を動かせなくしてしまいます。
電子的な対策では、カーセキュリティシステムの導入がおすすめです。異常を感知すると大音量で警報を鳴らすタイプや、スマートフォンに通知が届いてGPSで車の位置を追跡できるタイプがあります。クリフォードやパンテーラといった定評のあるブランドは値段は張りますが、その分安心感も高いです。
最近増えているリレーアタックやCANインベーダーへの対策も忘れてはいけません。スマートキーの電波を遮断する専用ポーチを使ったり、純正のイモビライザーに加えて強化型のセキュリティシステムを追加したりすることで、ハイテクな手口にも対応できます。
なぜ複数の対策が必要なのか。それは「時間稼ぎ」のためです。盗難犯は通常、3〜5分以上かかる車は諦めて次を探します。いくつもの防犯対策を施すことで、犯人が諦めるまでの時間を作り出せるのです。これこそが最強の防御策といえるでしょう。
セキュリティ標準装備の特徴

RAV4には、盗難を防ぐための充実したセキュリティ機能が最初から備わっています。
全グレードに搭載されている「イモビライザーシステム」は、電子的にエンジンの始動を制御する装置です。キーに内蔵されたICチップの情報と車両側の情報が一致しないとエンジンがかからない仕組みになっており、単純にキーを複製しただけでは車を動かすことができません。
「オートアラーム」も全車に標準装備されています。ドアやボンネット、トランクを無理やり開けようとすると、音と光で周囲に異常を知らせ、犯行を思いとどまらせる効果があります。
安全装備として知られる「Toyota Safety Sense」も、実はセキュリティ面でも役立っています。プリクラッシュセーフティやレーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール、オートマチックハイビームなどの機能が含まれており、車の安全性を総合的に高めています。
駐車時には「インテリジェントクリアランスソナー」が活躍します。低速走行時に壁や障害物を検知し、必要に応じて自動でブレーキをかけるシステムです。駐車時の事故を防ぐだけでなく、不審な接近を感知する役割も果たしています。
ただし、これらの標準装備だけでは、CANインベーダーやリレーアタックといった最新の盗難手口には対抗しきれません。純正のセキュリティを基本としながら、さらなる防犯対策を追加することが、愛車を守る最善の方法といえるでしょう。
追加で導入すべきセキュリティ対策

RAV4の純正セキュリティだけでは、残念ながら最新の盗難手口には太刀打ちできません。そこで追加すべき対策を具体的に見ていきましょう。
まず導入を検討したいのが「デジタルイモビライザー」です。IGLA2+のような製品は、CANインベーダーによる不正侵入をブロックする最新技術を搭載しています。純正スマートキーの使い勝手はそのままに、強力な防御機能を追加できるのがポイントです。
高性能な「カーセキュリティシステム」も効果的です。VIPERやGORGOといった専門メーカーの製品は、振動や衝撃、ドアのこじ開けなどを細かく感知し、警報を鳴らしたりエンジンを停止させたりする機能を持っています。プロショップでの取り付けが必要ですが、その分しっかりとした防御が期待できます。
リレーアタックへの対策も忘れてはいけません。スマートキーの電波を遮断する専用ケースを使えば、家の中から電波を拾われる心配がなくなります。帰宅したらキーをケースに入れるだけという手軽さも嬉しいところです。
さらに、RAV4のスマートキーには「節電モード」という便利な機能があります。施錠ボタンと解錠ボタンを決められた順番で押すだけで設定でき、リレーアタックに対する防御力が上がります。
大切なのは、これらの対策を単独で使うのではなく、組み合わせることです。物理的なハンドルロックと電子的なセキュリティシステム、そしてスマートキー対策を併用すれば、何重もの防御壁ができあがります。犯人に「この車は面倒だな」と思わせることが、最も効果的な盗難防止策なのです。
盗難保険の加入時の注意点

RAV4オーナーが盗難保険(車両保険)に加入する際は、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
まず補償範囲の違いを理解しておきましょう。車両保険には「一般タイプ」と「エコノミータイプ」の2種類があります。どちらも盗難は補償対象ですが、エコノミータイプは自損事故や当て逃げがカバーされません。RAV4のような高額な車を所有している方は、幅広くカバーできる一般タイプを選ぶと安心です。
保険金額の設定も大切です。車両の現在価値に見合った金額を設定する必要があり、高すぎれば無駄な保険料を払い、低すぎれば十分な補償を受けられません。RAV4は中古車市場でも人気が高いので、適正な金額設定を心がけてください。
免責金額(自己負担額)についても考えてみましょう。0円、5万円、10万円などから選べますが、免責金額を高くすると保険料が安くなります。めったに保険を使わない方なら、免責金額を高めに設定して保険料を節約するのも賢い選択です。
車内の荷物も守りたい場合は、「車両身の回り品特約」の追加を検討してください。通常の車両保険では車内の荷物は補償されません。ただし、パソコンや高額な現金など、補償対象外となるものもあるので、事前に確認が必要です。
そして忘れてはいけないのが、盗難で保険を使うと等級が下がることです。通常1等級ダウンし、翌年から保険料が高くなります。この影響は約3年続くため、被害額が小さい場合は保険を使わないという判断も必要になってきます。
保険は万一の備えですが、内容をよく理解して、自分に合った補償を選ぶことが大切です。
総括:RAV4の盗難リスクと予防策|最新手口と防犯方法
この記事のポイントをまとめます。
- RAV4は現在の盗難車ランキング上位10車種には入っていない
- トヨタ車の中ではランドクルーザー、アルファード、プリウスが特に盗難されやすい
- 2004年に埼玉県では月平均41台のRAV4が盗難被害に遭った記録がある
- フランスでは2023年にRAV4が「最も盗まれた車」となり、1万台あたり240台が被害を受けた
- 近年はCANインジェクションやリレーアタックという電子的な盗難手口が台頭している
- RAV4の標準装備にはイモビライザーシステムとオートアラームが含まれる
- リレーアタック対策にはスマートキーの電波遮断ケースや節電モード設定が有効
- 物理的対策としては目立つ色のハンドルロックやタイヤロックが効果的
- プロの窃盗団は3〜5分以上かかる車は諦める傾向がある
- 電子的対策にはVIPERやGORGOなどの高性能カーセキュリティシステムが推奨される
- CANインベーダー対策にはIGLA2+などのデジタルイモビライザーの導入が効果的
- 単一の対策ではなく物理的・電子的対策を組み合わせた「多層防御」が重要
- 盗難保険には「一般タイプ」と「エコノミータイプ」があり、補償範囲が異なる
- 車内の貴重品を守るには「車両身の回り品特約」の追加が必要
- 盗難による保険金請求を行うと等級が1ダウンし、約3年間影響が続く